では、各ファンドについてレビューしてみよう。
第1位の「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、(有効総投票者数 159名、有効総ポイント 795)中、(67名の方が投票、218ポイントを獲得)となり、第2位を大きく引き離して、圧勝であった。勝因は、日本を除く主要先進国の株式に投資することにより、MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動するインデックスファンドを低コストで提供していることが、非常に高く評価されているようだ。
鍵となるのはやはり低コストなことだ。
第2位 三井住友・DC全海外株式インデックスファンド、第3位 バンガード・トータル・ワールド・ストックETFのいずれもインデックスであり、低コストだ。第1位の「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」の信託報酬は0.24%(税抜き)、第2位 三井住友・DC全海外株式インデックスファンドの信託報酬は0.25%(税抜き)、第3位 バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの経費率:0.17%なので、長期にわたって運用しようと思うのであればかなりメリットがあるだろう。
また、運用成績がよいことも重要だ。第4位 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは投資対象ファンドはバンガードの8本のインデックスファンドである。ファンド・オブ・ファンズのためか、信託報酬が0.69%(税抜き)と高いが、信託報酬が以前よりも低くなったこと、これ一本で世界分散投資が完了すること、運用成績がよいことが評価された。
アクティブファンドでランクインしたのは第5位のひふみ投信である。0.98%(税抜き)と、他のインデックスファンドに比べ高いのであるが、トータルリターン(3年):32.59%という高パフォーマンス。運用成績の良さに加えて受益者に対する情報提供の熱心さを評価されている。
筆者は、本サイト2月29日配信の記事『
「下流老人」にならないためのNISA、確定拠出年金の活用法を考える』で、NISAの投資対象として、東証上場の二つのETF、「上場インデックスファンド米国株式(S&P500)」(東証ETF 1547、信託報酬(税抜)0.16%)、および、海外株式ベンチマークMSCIコクサイに連動する「MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信」(東証ETF 1550、信託報酬(税抜)0.25%)を候補に挙げた。筆者は、投信よりも低コストのETFの方がいいと考えている。
しかし、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2015」1位から3位までの投信は、信託報酬(税抜)が0.25%以内であることから、上記ETFと同等に、運用検討対象と考えていいかもしれない。また、利便性からファンド・オブ・ファンズ、高パフォーマンス期待からアクティブファンドの一部組み入れも検討に値する。
いずれにしてもユーザーサイドからの評価を重視した「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」は、来年で10回目を迎えるほど定着したイベントとなった。証券会社の営業マンではなく、ネットユーザーの口コミによってなるランキングは運用先選びの一つの指針になるだろう。<文/丹羽 唯一朗>