秋葉原駅前にあるボークスは、1Fと地下1Fがショーケースフロアになっている
とはいえ、この手のコレクターズアイテムは、傷や箱の有無など、細かな点にケチがつきがちだ。「素人が簡単に手を出せる分野ではないのでは?」と考えてしまうが、その点は「顧客が中国人だからこそクリアできる」という。
「中国人は、日本人のように『箱がない』とか『中古だから』などといった、うるさいことを言いません。だから、保管状況がしっかりした専門店でなく、ハードオフなどリサイクルショップで安く買ったものを、高値で売ることができるのです。チームを組んで、仕入先のエリアを分担することで、3人で月に60~70万稼ぐといったツワモノもいます」
さすがに、チームを組むことは難しいだろうが、リサイクルショップなどにこまめに通い、売れそうなアイテムがあれば即購入し、ショーケースで売る。そういったヌルい方法でも「月に2~3万円は稼げる」ようだ。また、すぐにショーケースに陳列できないものは「100円ロッカーを借り、そこを商品倉庫にするといい」という。
秋葉原には100円で借りられるコインロッカーも存在する。そういった100円ロッカーを倉庫としてうまく活用しよう
「大事なのは『質の良いものを仕入れる』ことよりも『仕入れたものを目立つ場所で売る』こと。そもそも彼らも、日本で買ったものを中国で転売するのが目的なので、純粋なマニアではありません。なので、駅の近くにあるショーケースを中心に物色する。『時間をかけずに仕入れる』ことも、彼らにとっては重要なんです」
ショーケースのレンタル料は、月3000円から3万円が相場。お店の立地はもちろん、店舗内でもフロアや棚の大きさなどで料金は変わるという。
「オススメは、秋葉原の駅前にある『ボークス』と、ちょっと高いですが『ラジオ会館』でしょう。でも今は、ショーケースの人気が高くて、新規申し込みの募集があっても、30~40倍の倍率があるようです」
非常に狭き門ではあるが、趣味と実益を兼ねられる人であれば、一度挑戦してみてはいかがだろうか?<文/HBO編集部 協力/佐久間綾人>
【佐久間綾人】
デジモノ系雑誌で活躍するフリーライター。秋葉原でイベントなども主催する、筋金入りのアキバ住人。