自転車vs歩行者――共用サイクリングロードの安全性はどこまで担保できる?

さらに安全を目指すなら歩行者レーンとの分離が必要

韓国ソウル市内の自転車道。歩行者レーン(右側)が設けられている(2015年10月)

 しかし、自転車と歩行者が混在することで事故の危険性が高まるのであれば、それらを分離することで危険はおのずと減るはずだ。現に歩道では、自転車の通行が以前よりも厳しく取り締まられるようになっている。本来通行が義務付けられている車道に自転車を下ろし、歩行者と分離する「歩車分離」の考え方だ。  韓国の自転車道では、歩行者レーンを設けて分離している区間もある。昨年、筆者も実際に走ったが、レーンが分けられていることで安心感は高かった。こうしたレーン分け、および縁石等で自転車と歩行者の通行を分ける「構造分離」は北海道北広島市(※2)や千葉県浦安市(※3)など、国内にも事例がある。 ※2 http://www.mlit.go.jp/road/road/bicycle/introduce/01/01_3.html ※3 http://www.mlit.go.jp/road/road/bicycle/introduce/06/06_3.html

「諏訪湖周サイクリングロード」の整備イメージ(基本計画素案から引用)

 また、長野県や諏訪市ほか諏訪湖周辺の自治体が今月示した「諏訪湖周サイクリングロード基本計画」の素案は、歩車分離を原則に整備する内容だ(※4)。 ※4 http://www.pref.nagano.lg.jp/suwaken/shisaku/cyclingroad/boshuu.html  ただし自転車と歩行者を分離するには、十分な道幅が必要なことも事実。川崎市の場合、拡幅や路面表示で、現状よりも安全性は高まるとみられる。しかし自転車や歩行者の利用者がさらに増えれば、レーン分けなど歩車分離が求められる可能性もある。<取材・文/斉藤円華>
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