アイオワ州予備選の「クリントン候補とほぼ同率」という選挙結果が出た直後、サンダースは総括演説を行った。
この総轄演説には、彼の政策・主張、そして選挙手法がコンパクトにまとめられている。実によく練られた演説であった。
その演説を、そのまま翻訳する。
なお原文は、PBSがYouTubeに公開した当該演説の動画”
Watch Bernie Sanders’ full speech after Iowa caucuses”を視聴し、確認した。
“ありがとう。アイオワ、ありがとう!
9月前、私たちはこの美しい州にやってきました。地盤も鞄も看板も何もありませんでした。そして、アメリカ合衆国最強の政治的組織を相手どったのです
そして、今夜。まだ結果ははっきりしませんが、どうやら、ほぼ互角という結果を収めました。
そして、まだ。。。
(聴衆より“バーニー!バーニー!”の連呼。演説中断)
そして、まだ結果は全部出ていませんが、どうやら我々は、アイオワの代議員の半数を獲得したようです。
この機に、クリントン元国務長官と、どなたか。。。そう、極めて精力的な選挙活動を展開した彼女の選対に、祝意を申し上げたい。
そして、オマリー知事にも感謝を申し上げたい。敗北はいつも過酷なものです。私も、一度ならず選挙に負けた経験があリます。しかしオマリー知事は、議論に多大な貢献をし、政策議論中心の選挙戦を展開し、そしてそのことによってアメリカの人々からの尊敬を獲得したのです。
今夜の出来事を考えると、アイオワの人々は、極めて明確なメッセージを、政界のエスタブリッシュメントたち、経済界のエスタブリッシュメントたち、そして、(ここで記者席を指差す)メディアのエスタブリッシュメントたちに叩きつけたのだと思うのです。
この国が直面する巨大な危機を考え合わせると、もはや状況は政界のエスタブリッシュメントたちや経済界のエスタブリッシュメントたちでは間に合わないのです。アメリカの人々が主張するのは、そしてこれは、何も進歩主義者からだけではなく、保守派からも中道派からも私は聞きました、“もうこれ以上、壊れきった選挙資金制度に我慢できない”ということなんです。
私は、以前、上院復員軍人委員会の委員長を務めました。そしてその職掌として、復員軍人の権益を守るために粉骨砕身しただけではなく、我々と我々の生活を守るために貢献した沢山の人々とお会いすることができました。そうした軍人たちが守ってくれたアメリカの民主主義は、一人一票であって金持ちが選挙を買収することではないはずです!
photo by Michael Fleshman on flickr (CC BY-SA 2.0)
全国各地の人々が、350万人もの人々が、我々の選挙活動を支えてくれたという事実に、私は、圧倒され感動しています。BernieSanders.comを訪れたそうした人々による献金額の平均をご存知でしょうか? なんと、平均27ドルなんです! 我々は、富裕層やウォールストリートや「アメリカ株式会社」の利益を代表しません。彼らのお金なんていらないんです。
誇りを持って申し上げますが、我々は民主党唯一のスーパーPAC(訳者注:特別政治活動委員会 各候補者の企業献金や個人献金の窓口となる組織。政治献金を無制限に集めることができることから近年、批判の的となっている)を持たない陣営です。そして、我々がアイオワで健闘し、おそらくはニューハンプシャーでもそれに続く各州でも健闘するであろう理由は、アメリカの人々が不正な経済にNOを叩きつけているからです。もうこれ以上、平均的なアメリカ人が低賃金で長時間働いているにもかかわらず、新たに創造される富が富裕層の1%に集中するような経済を必要としていないのです
アメリカの人々は、この国が、公正さの上に築き上げられた国だと理解しています。トップ1%の中のわずか1/10の人が、その他90%の人の合計よりも多くの富を所有しているのは公正ではありません。この国最大の金持ち20人が、この国の底辺半分の人々の合計よりも多くの富を持っているのは、公正ではありません。