増えるヨーロッパからイスラエルへの移民。その理由は?

若年層中心の移住者はイスラエル側の思惑とも一致

 2015年に移住した者の多くは若者で、『United with Israel』によると、〈30才以下が8200人、20-29才が6950人〉だという。また『El Confidencial』によると、〈若い夫婦の年齢は30-40才代だ〉という。フランスからの移民者の場合は、イスラエルで5番目の都市で既に多くのフランス人が居住しているアシュドット市で生活を構える〉という。  イスラエル以外の国でも、世界にはユダヤ人が1400万人いる。彼らはイスラエルで帰還法が適用出来る人たちである。更に、ヨーロッパの場合は両親がユダヤ人でなくても片親がユダヤ人、そしてユダヤ人3世も帰還法が適用出来ることになっている。帰還法の適用を受けてイスラエルに移住すればより有利な条件で生活が保障されることになっている。  イスラエル政府が移民受け入れに熱心な理由のひとつは、人口問題を抱えているからだ。パレスチナ人の出生率がイスラエル人を上回っており、将来イスラエルでパレスチナ人の方がユダヤ人よりも人口が多いという事態になる可能性があるのだ。それを避ける意味でも、ユダヤ人若者の移民はイスラエル政府にとって歓迎される点なのである。 <取材・文/白石和幸 photo by heathertruett on pixbay(CC0 PublicDomain)> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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