民主化活動家も御用達!? 鉄壁セキュリティを謳うロシア製メッセンジャーアプリが中国で人気

photo by Jan Vašek(CC0 PublicDomain)

 センテンススプリングが怖い、怖くてたまらない!  ベッキー事件から結構な時間が経つが、やっぱり気になるのがLINEの情報流出。こんな書き込み、そんな書き込み、あんな写真が流出したらと思うと……。恐ろしくて大人の会話もできない。  どうすればインスタントメッセンジャーの情報流出から身を守ることができるのか?!ハッキングとサイバー攻撃の国「中国」の専門家である、アジアITライターのT氏に話を聞いてみた。 「中国でもスマホ用メッセージツールの情報流出は日常茶飯事です。エロ写真が流出して人生台無しになるのは自業自得ですが、政府批判の風刺漫画をちょこっとつぶやいただけで警察に呼び出されて説教されるなんていう話もあります」 ――なにか対策はないんでしょうか。

既読後、一定時間でメッセージも消去

「ありますよ。今、中国のとんがった人々の間で流行しているのが『Telegram』というアプリです。民主活動家やジャーナリストはこのアプリを使っているのです。ロシアで開発されたものなのですが、”セキュリティ性能の高さ”を売りにしています。プライベートチャットという機能がありますが、自分と相手、2台のスマホ以外ではメッセージを読み取ることが不可能だと開発元は言っています。ベッキーさんのようなケースは起こりませんね。また既読から一定時間がすぎるとメッセージが消去される機能もあるので、スマホを盗み見される危険性も低いのです」 ――すごいアプリがあるんですね。

高セキュリティをウリにしている

「凄すぎてこのアプリをインストールしているだけで中国政府に目を付けられるという逆効果もあるんだそうです」  ただ、このTelegramは公式には日本語対応していない。その上、実際のところ「セキュリティが高い」と声高に宣伝してはいるものの、懸賞金を掛けて行われたこのTelegramへのハッキング耐性テストも、セキュリティを保証する十分な条件を満たしたものでなかったことが指摘されていたり、他にもいくつかの脆弱性があるという指摘もあるという。 「まぁ、どんなにセキュリティを高めても、メッセージを送った相手が情報をリークすることは防げません。やっぱり最大のセキュリティは火遊びしないこと、ではないでしょうか……」 <取材・文/高城武 photo by Jan Vašek(CC0 PublicDomain)>