ヨックモックを急成長させるヒントになった意外な芸術作品とは?

巻くべきか、挟むべきか、それがブランドだ

 ちなみに、このヒントになった「巻菓子」の絵は、宗教画家リュバン・ボージャンの「巻菓子のある静物」でルーブル美術館にも収められている名画ですが、実際日本人が見ると「あ、ヨックモック」と感じそうです(笑)これが描かれたのは1636年頃だそうなので、これが同じ頃登場した「ラング・ド・シャ」生地なら、実際のそれも「ヨックモック」と似てたかもしれませんね。  あと、以前取り上げた石屋製菓の「白い恋人」も同社の「ラング・ド・シャ」製品「シェルター」(1971年販売開始)にホワイトチョコを挟むことで、1976年に誕生したヒット商品でした。  同じ時期に同じ素材を扱って、片方は原点であるバターに極限まで向き合うことで「シガール」に辿り着き、片方はそれに当時の流行ホワイトチョコを組み合わせることで「白い恋人」に辿り着き、現在では両方とも海外にまで届くブランドになっているというのも面白いですね。

「神の食べ物」?老舗の新しい味を食べてみた

 そんな「シガール」ですが、中にアイスを詰めた「アイスシガール」という限定商品があるのをご存知でしょうか。ネット上では「神の食べ物」と呼ぶ声もあるほどの人気と聞いたので、今回の連載にあたって三越本店まで買いに出かけて食べてみました。  通常の「シガール」より一回り大きく、より葉巻感のあるそれは、バターとアイスの濃厚な風味がマッチしつつ、甘さがくどくない「シガール」の豪華版という感じで美味しかったです。個人的には贅沢にガシッとかぶりついた方がよりバランスを楽しめました。ご興味のある方は是非、老舗の歴史を感じつつ「巻く」「挟む」ともまた違った「詰める」「冷やす」の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。 決算数字の留意事項 基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。 <写真/S_e_i> 【平野健児(ひらのけんじ)】 1980年京都生まれ、神戸大学文学部日本史科卒。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの『SiteStock』や無料家計簿アプリ『ReceReco』他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業、全国の企業情報(全上場企業3600社、非上場企業25000社以上の業績情報含む)を無料&会員登録不要で提供する、ビジネスマンや就活生向けのカジュアルな企業情報ダッシュボードアプリ『NOKIZAL(ノキザル)』を立ち上げ、運営中。
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