バルサの胸スポンサー候補「楽天」にナイキが難色を示した理由とは?

バルサグッズを売る露天に「楽天」の字が並ぶ日が来る!? photo by Oh-Barcelona.com(CC BY 2.0)

カタール投資庁と揉めたFCバルセロナ

 FCバルセロナ(以下バルサ)のユニフォームの胸スポンサーは、カタール航空が2013年から継続してその位置についている。その年間契約金は3500万ユーロ(45億5000万円)だという。しかし、新しく選手との契約や高額の年俸選手を多く抱えたバルサは支出も増加している。そのせいでクラブの負債総額はこの1年で〈2億8700万ユーロ(373億円)から3億2800万ユーロ(426億円)に増加〉したという。(参照:「Mundo Deportivo」)。  バルサは増大する支出を補填する為にも、あらゆる部門からの収入の増加を求めて行かねばならない必要に迫られている。その対策のひとつとして、ユニフォームの胸スポンサーとの契約金の増額が浮上している。バルサの役員更新の前にハビエル・ファウス前副会長がカタール投資庁と交渉して〈年間6000万ユーロ(78億円)の仮契約の合意を達成〉した。しかし、役員更新後の席でバルトメウ会長は7500万ユーロ(97億5000万円)の契約とバルサチームのスタジアム「カンノウ(Camp Nou)」の名前を使う権利として更に2500万ユーロ(32億5000万円)の契約が(カタール航空と)仮合意に至っている〉と発表したのである。この内容発言はカタールの関係当局にとって初耳であり、なおかつ不快なものであったという(参照「Ok diario」)。  更に、カタール側を不快にさせたこととして、バルサが練習用のユニーフォームのスポンサーを試合用のユニフォームとは別に契約をしようとしたこともあるという。バルセロナに多く住むカタラン人(カタルーニャ人)はスペインでもっとも商いの上手い人たちである。一銭たりとも無駄にしないというのはカタラン人の商いの哲学である。兎に角、儲けに徹する彼等の精神は時に反発を生むこともある。それが今回の練習用ユニフォームを試合用ユニフォームと分けて、それにも契約金を徴収しようとするカタラン人特有の精神である。  年間6000万ユーロという高額契約に仮合意したカタール投資庁から更にカネを引き出させようとするというえげつない儲けに徹したやり方にカタール投資庁の面々は強い憤りを感じたわけだ。そのため、昨年9月後半にバルトメウ会長と広報とマーケテイング担当のアローヨ副会長そして営業のコレット部長が凍結している契約の合意を求めてカタールの首都ドーハを訪問したものの、カタール投資庁の要人の誰とも会見出来ずバルセロナに戻ったという。  そのため、カタール投資庁との契約更新が難しいと判断したバルサはそれにに代わるスポンサー探しを開始したのである。
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楽天になれば、ユニフォームがナイキでなくなる可能性も
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