「食べログ」を超える?急成長の実名制グルメサービス「Retty」事業の将来性

 株式会社Rettyは、友人やグルメなユーザーのおすすめでレストラン検索ができる実名制のグルメサービス「Retty」を運営しています。既に2015年1月の段階で月間利用者数600万人の人気サービスでしたが、その後も毎月約100万人ずつユーザー数を伸ばし、11月の段階で1700万人を超えた模様です。 飲食店 また、3月にはVCから10億円の資金調達も行い「Retty2020 1億人構想」という中期目標の元、①グルメサービス国内1位②訪日外国人満足度1位③海外20カ国へのサービス展開を実現して、2020年には利用者1億人を目指すとするなど、その成長に期待が高まっています。  ちなみに、資金調達した3月の段階では「食べログは競合でないですよ」みたいなスタンスだったのですが、7月の自社イベントで「主要エリアでの月間口コミ投稿数は国内最大手グルメサービスを超えた」とぶちあげ、食べログが即反論するなど、そういう意味でも注目を浴びていました。

Rettyが挑む「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパー」

 そんなイケイケの「Retty」の2015年9月段階での決算データは下記の通り、かなりの赤字額となっていますが、「食べログ」や「ぐるなび」と勝負する、直近で10億円を調達済みというところを考えると、ここでアクセルを緩めることはないでしょうから、想定の範囲内といえそうです。 第5期決算公告 1月26日官報51頁より 当期純利益:△4億7676万円(昨年の推定、△1億7129万円) 利益剰余金:△7億5704万円(昨年の推定、△2億8029万円) 過去の決算情報 詳しくはこちら http://nokizal.com/company/show/id/1652257#flst  せっかくなので、この機会に「Retty」が挑む「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパー」既存の主要なグルメサービスの数字を具体的に比較してみたいと思います。 Retty_食べログ※作成にあたっての参考数値情報(2015年現在) ぐるなび()、ホットペッパー()、食べログ()、Retty(

スタートした時代のトレンドを反映するグルメサービス

 まず、それぞれのサービスの特徴が事業開始当時のインターネット業界のトレンドを反映していることが分かります。1996年(Yahoo!Japanが出来た年です)に事業を開始した「ぐるなび」や2003年に始まった「ホットペッパー」は、強力な営業力を駆使して、店舗の情報を集めてきて掲載料をもらう、という紙媒体からの展開を引き継いでます。 「Wb2.0」や「ロングテール」がトレンドになっていた2005年に作られた「食べログ」にはCGMや口コミといった性質が、Facebookに代表される実名性SNSが本格的に普及し「アドテク」や「ビッグデータ」が叫ばれた2011年に登場した「Retty」では実名、おすすめといったコンセプトが土台になっていますね。

実はまだ伸び続けているネット系グルメサービス市場

 次に、Rettyのような新しいサービスだけでなく、開始20年を迎える「ぐるなび」も含めて、まだネットのグルメサービス全体が伸びている、というのは「ぐるなびやホットペッパーなんて今時使わないでしょ、食べログかRetty見るよ」という情報感度が高めの人たちには意外に思えるかもしれません。  ただ、地方に行くと食べログを検索しても、チェーン店くらいしか引っかからないというケースも結構ありますし、その場合は「ぐるなび」や「ホットペッパー」の営業網が有効そうです。また、これらのグルメサイトは複数使いしている人が多いというデータもあるので、「会社の幹事任されたから、食べログで点数良さげなとこに当たりをつけて、実際に店のHPいったらぐるなびページだった」みたいなのは東京でも想像できますね。
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売上首位は「ホットペッパー」も利益は「ぐるなび」強し
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