公衆Wi-Fiサービスが無料で使える「BIC SIM」
「BIC SIM」は、ビックカメラがリリースするSIMカード。データ通信専用からSMS機能付き、音声通話機能付きと言った3種類のSIMカードがあり、さらに3GB、5GB、10GBといった3つの容量をラインナップ。月額900円(税抜)から利用することができる。
このSIMカードを契約すれば、国内最大級のスポット数を誇るWi-Fiサービス「Wi2 300」のアクセスポイントに接続できるといった特典が付属。移動時にはSIMカードによるLTE通信、スポット内ではWi-Fiと言った具合に回線を切り替えて利用すれば、通信容量が節約できるメリットがある。
全国各地で利用できるWi-Fiアクセスポイント「Wii2 300」が無料で利用可能。スポット内でWi-Fi接続すれば通信容量が節約できる。
特定のコンテンツや時間帯のみデータ通信が使い放題となるサービスもある
スマホを使ったデータ通信の中でも、とりわけ大容量になりがちなのが動画の視聴や高精細なグラフィックを採用したゲームのダウンロードなどだ。これらの操作を格安SIMで行うとあっという間に容量を使い切ってしまうということも珍しくないだけに気を使っているユーザーも多いはずだ。
J:COMがリリースする「J:COM MOBILE スマホセット」は、月額2980円(税抜)で通話とデータ通信がセットになったプラン。3GBというデータ通信容量を見ると料金そのものは一般的な範囲と言えるが、同社が提供するオンデマンド動画配信サービス「J:COMオンデマンド」をスマホで視聴した場合、その通信量はカウントされないという仕組みを持っている。そのため、自宅はもちろん外出先でも動画を思う存分楽しめるのだ。
またiPhone専用の「FREETEL SIM」は、月額299円(税抜)から使った分だけ料金が発生する仕組みを持ったSIMカード。このSIMは、AppStoreからアプリをダウンロードする際に発生する通信はカウントされない仕組みを持っている。ゲームを中心とする大容量アプリを外出先でダウンロード機会が多いユーザーなら多大な恩恵を受けられるはずだ。
特定のコンテンツに対して通信容量をカウントしない上記のSIMカードに対し、時間帯で区切っているSIMカードも存在している。スマモバがリリースしている「NIGHT PLAN」は、月2480円(税抜)で利用できる通話と通信が行えるSIMカード。深夜1時から翌朝9時までの時間帯ならLTEが使い放題となるのが特徴。仕事中はあまりスマホを使わず、帰宅後の深夜にスマホを使いことが多いユーザーなら格安と言えよう。ただし、他の時間帯は128Kbpsの低速通信に切り替わる。メールチェック程度なら問題なく利用できるが、動画視聴やWebブラウジングには適さない。
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3万8000本以上のコンテンツとスポート生中継が見られる「J:COMオンデマンド」の通信容量がノーカウントとなる「J:COM MOBILE スマホセット」
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AppStoreからダウンロードする通信がノーカウントになる「FREETEL SIM for iPhone/iPad」。AppStoreを介さないアプリ内のアップデートには適用されない点に注意が必要。
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深夜から早朝のみスマホを利用するユーザーならスマモバの「NightPLAN」がお得。ただし、朝9時から深夜1時までの時間帯は低速通信となるため注意が必要。
異例ともいえる総務省からの料金プランに対する介入によって、大手3社と格安SIMの価格差が縮まることは必至。安さと通信の安定性はもちろん、様々なキャンペーンやユニークな料金プラン、特典が続々と出てくることが予想される。自分の用途に合った通信プランはもちろん、もっともお得になる特典を見つけ出すこともこれからのSIM選びの要素となりそうだ。
<文・写真/古作光徳>
【古作光徳】
パソコン関連誌の編集部を経て、2006年にライターとして独立。主にパソコンやスマホ、家電関連誌などを中心に活動中。近年は車やバイク、将棋など、趣味関連誌の執筆や編集にも携わっている。