スペインが受注したサウジの高速鉄道計画が難航。原因は「砂漠の砂」

Talgo社によるAVE(via Talgo spain website)

 スペインの12社から成るコンソーシアムがサウジアラビアに建設中の高速列車(AVE)の工事に支障が生じているという。既に解決済みとされていた砂漠の線路に溜る砂の多さが安全運行に支障をきたす様相を呈しているのだ。それをスペイン側に伝えるべく、昨年12月19日付でサウジアラビア鉄道公社のジェネラル・マネジャーバサウ・アウメッド・グルマン氏の署名による書簡がスペインコンソーシアムに送られ、4日以内の解決を要求したという。その書簡にはそのコピーを検査管理をしているドイツのエンジニア組織DBインターナショナルに送っている旨も明確にされていたという。  問題の高速列車とはサウジアラビアの2つの巡礼地メッカとメディナを結ぶ450km間の列車で、建設総工費は67億3600万ユーロ(9100億円)。当初、フランスの高速列車(TGV)が受注する可能性が強いとされていたが、スペインのファン・カルロス前国王(当時国王)がアブドラ前国王(当時国王)をリヤドに訪問して説得に努めたという。しかも、AVEの方がTGVより建設工事の見積もりで20%安価であったということも手伝って、スペインの12社から成るコンソーシアムが受注した。そして2012年に契約が交された。が、問題は線路に溜る砂漠の砂の処理と暑さが列車の正常な運行の障碍になるので、それをどのように解決するかという点にあった。(参照:「El Pais」)。  しかし、建設工事が開始されてから現在までこの問題が未解決になっているとサウジアラビアの鉄道公社が指摘したのである。それを上述したようにサウジ鉄道公社が書簡で公にしたのである。  書簡の主旨は、線路の土台の上に堆積する砂を防止するという問題が9か月も解決されておらず、その区間での列車の試運転も始めねばならない時期に来ているので早急なる解決を請うというものであった。更に、堆積する過度の砂から判断して、線路を敷く土台が砂の侵入を少なくするには不適切な構造であるということが明白になっているとも指摘したという。  当初、この問題の解決策として、線路に枕木と砂利を使わず、舗装道路のようなコンクリートの上に線路を敷く構造を採用した。そして、舗装面に傾斜を設けて砂の溜りを少なくし、更に、125か所にセンサーを設置して、列車が通過した時の発信する音で、砂が溜っているか否かをチェック出来るシステムを配備するという計画だった。また、砂が風で線路のほうに運ばれるのを防ぐコンクリートの防禦壁も設けることも決まっていた。しかし、現在建設を進めている過程で、砂の堆積を緩和するこれら一連の策が役に立たないことが判明したのだ。
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コンソーシアム内でも軋轢が
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