政府の株価対策「大本命は法人税率の引き下げ」

政府・与党は、法人税の実効税率の引き下げのほか、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用資産構成見直しなどを検討しており、最近、株価を刺激している。しかし、これらの株価対策は本当にずっとうまく機能するのだろうか?

法人税減税とGPIFの運用資産構成見直しを見込んで株価は上昇。政府の株価対策はうまくいくのか?【後編】

(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏) ⇒【前編】はコチラ 政府の株価対策「大本命は法人税率の引き下げ」 政府が暗にほのめかしているもう一つの株価対策が、GPIFによる株式ウエートの引き上げだ。日本国民の年金積立金を運用するGPIFは、130兆円もの公的資金を運用している。GPIFの運用方針は基本ポートフォリオにより示され、現在の国内株式の目標ウエイトは12%となっている。これを1%引き上げれば、単純に計算すると1.3兆円もの資金が日本の株式市場に流れ込む。  しかし、筆者はこうした株価対策はあまり好ましくないと考えている。公務員が運用する株式が増えてもいいことはないし、需給で一時的に株価を上げても、買い続けなければいずれは下がるのだ。需給要因での株価変動は一時的なものなのである。しかし、今回のGPIFの基本ポートフォリオ見直しは、いずれにしても大きな影響はないだろう。というのも、ポートフォリオは時価で評価され、株価の上昇で、すでに国内株式のウエートは17%に達している。今回の資産構成見直しでは、これを追認するだけにとどまりそうだ。  法人実効税率は、シンガポールの17%、台湾の17%、香港の16.5%に対して、日本は35.64%である。これでは多くの企業が海外に出ていってしまうのも無理はない。成長戦略の大本命は法人税率の引き下げである。
政府の株価対策「大本命は法人税率の引き下げ」

株価の上昇で、すでにGPIFの現行のポートフォリオで、株式ウエートは目標よりも大きくなっている。カッコ内の%は基本ポートフォリオの目標値

【今週の数字】 GPIFが運用する金額(2013年12月末) 130兆円 GPIFの運用額は世界最大の資産規模であるが、公務員が国債と株式のインデックスファンドで運用している。現在、国内株式の比率を高めようとしている 【藤沢数希氏】 欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは8万人を超える。最新刊『外資系金融の終わり』が発売中