利回り20%超![物置投資]を知っているか?
2015.12.28
300万円前後の資金で始められ、実質利回り20%を狙うことも可能な物置投資。郊外からじわじわと増え始め、今後も需要は伸びそうだが、わからないことも多い。そこで物置投資の実践者と不動産投資のプロに聞いてみた!
郊外の国道沿いなどでトランクルームや貸しコンテナの看板を見たことはないだろうか。実は今、これらのサービスが投資対象として熱を帯び始めている。
「9か所に合計193室を所有しており、毎月の収入は38万円。購入したばかりの物件もあるので、あと1年半もすれば稼働率が上がり、年収1000万円も見えてきます。家賃の徴収や利用者との契約など細かい実務は運営会社にお任せするので、一度投資してしまえば後はほったらかし。それで実質利回りが20%を狙えます」
こう語るのは、サラリーマン務めの傍ら、物置投資を実践する千葉涼太氏。その体験を自著『トランクルーム、コンテナ、バイク倉庫で儲ける方法』(ダイヤモンド社)でまとめている。株やFXなどを経て約5000万円を物置に投資している千葉氏だが、どんな投資妙味があるのだろうか。
物置投資の最大の魅力は、需要の伸びだろう。矢野経済研究所の調査によれば、’12年の市場規模は約489億円。それが’15年には約569億円まで拡大するとみられ、拡大傾向にあることが高利回りにつながっている。
「アメリカは10世帯あたり1世帯が利用しているのに対し、日本は152世帯に1世帯。アジアに目を向けても、シンガポールや香港といった人口密度が高い国では爆発的に広がっており、ほぼ満室状態。日本でも徐々に『物置スペースをレンタルする』という発想は広まっており、今後まだまだ伸びる余地があると思います」
同じ不動産投資である、アパートやマンションへの投資と比較すると、その魅力は鮮明になる。
「物置投資にかかる初期費用は300万円程度。アパートの一棟買いがどんなに安くても2000万円、マンションなら7000万円はかかることを考えると雲泥の差です。運営は管理会社に委託するのが一般的で、賃料の15~20%を取られますが、その代わりすることは銀行の記帳くらいしかなく、手間が本当にかからない。アパマンでは退去時のリフォーム代がかさみますが、そうしたランニングコストもほとんどかからない。そのため、利回りが15~20%は見込め、中には40%超えなんて物件もあります。サラリーマンの副業に打ってつけと言えるのでは」
そんな物置投資には、主に3つの形態がある。屋外に設置する貸しコンテナ、バイク倉庫と、ビルやマンション内に設けるトランクルームだ。サイズやセキュリティ面で用途が分かれ、設置する立地を考慮して適したものを選ぶことになる。
では、物置投資に個人投資家として参戦する場合、どのようにアプローチすればいいのだろうか?
「私の場合、最初はコンテナやトランクルームの運営会社に片っ端から問い合わせをして、新規で立ち上げる物件の案内をしてもらいました。運営会社の多くは地主や富裕層しか相手にしなかったりするので根気が必要でしたが、いい会社に巡り合い、他のオーナーと共同出資で約200万円を投資して最初の貸しコンテナを保有することになりました。この物件は徐々に収益が上がり、損益分岐点を半年で超え、1年後には稼働率が80%超え。毎月3万円が安定して入ってくるようになりました。このように、物置投資ではいい運営会社と手を組むことが非常に重要です」
千葉氏が現在保有している物件状況をまとめたものが、下にある一覧表だ。現在、9か所に193室を保有しているが、物件は人気が高く、新規の案内があっても4~5倍の抽選がある。
「2件目の物件を持てるようになるまで1年もかかりました。そこで、自ら貸し地や売り地を探すことにしました。いい土地があれば、運営会社の担当者と交渉に出向いて契約をまとめたり、自分で土地を購入してコンテナを設置するように。物置投資はユーザーが埋まるのに時間はかかるけど、1回入ればなかなか離れない。現在の利回りはトータルで9.2%ですが、1年半もすれば稼働率は80%まで上がると見込んでおり、これで年収1000万円に到達します」
大台を目前に熱く語る千葉氏。
この投資法を、不動産投資のプロはどう見るのか。『通販大家さん』でマンション一棟買いブームに火をつけ、コインパーキングやメガソーラーなども手掛ける金森重樹氏に聞いた。
「今、アパマン投資の都心での実質利回りは6%を切り、都内に優良物件はほとんど残っていません。行く着くところまで来てしまった感があり、かなり厳しい。その点、物置投資は面白いですね。郊外で駅から歩いて20分かかるようなオフィスビルには、借り手がつかないから仕方なく自社ビルで使ってるケースがありますが、トランクルームにコンバージョンしてしまうのはいい案です。アパートだと家賃を落としていけばいずれ借り手はつくけど、ビルはそうもいかないケースが多いですから。ある程度稼働率が上がってきた物件なら、手間賃は上乗せするので僕も丸ごと買い上げたい(笑)」
金森氏も食指を伸ばす物置投資。サラリーマンが参戦するなら、今のうちかもしれない。
【千葉涼太氏】
兼業投資家。1979年生まれ。一部上場企業に勤務するも、将来への不安から物置投資に開眼。ブログ「ほったらかしの物置投資」
http://ryota620.blog.fc2.com/
【金森重樹氏】
ビジネスプロデューサー。1970年生まれ、東大卒。不動産関連企業の上場を手掛けた経験も持つ、不動産投資のプロ。近著に『2015年改訂版 100%得をするふるさと納税生活完全ガイド』(小社刊)
利回り20%超![物置投資]の全貌
初期費用は300万程度で利回りはアパマン投資を圧倒!
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