「地方出張」が連日つづく営業社員――移動時間は「労働時間」じゃないってホント!?

出張 仕事によっては、しばしばやってくる出張の機会。月曜から金曜まで泊まりがけのケースもあれば、早朝に出て、深夜に帰宅するような強行軍もあります。人によっては、慣れない場所での仕事に疲れてしまうかもしれませんし、逆に、新鮮な気分になれるかもしれません。  気になるのは、出張の移動時間です。ある会社員は、会社から「出張中の移動時間は労働時間に含まれない」と聞いて驚いたそうです。ふだんの朝食や夕食が自炊の場合、出張のときは外食続きで費用もかさみます。  出張中の移動時間は、本当に労働時間に含まれないのでしょうか。

出張の「移動時間」は労働時間と認められないことが多い

◎今井俊裕弁護士の回答  出張中の移動時間は、原則として労働時間に該当しません。出張の移動は、会社がその状況を把握することができず、管理されていない時間だからです。  労働時間になるかは、会社の命令を受け、拘束されているかどうかによります。何をしているかわからない移動時間は「指揮命令を受けて拘束」されているとはいえません。週刊誌を読んだり、スマホでゲームに興じたりなど、いろいろと考えられますよね。ただ、会社の指示で金銭や物品を運ぶような場合は、労働時間と扱われることもあるでしょう。盗難や紛失が起こらないよう、緊張が持続していると考えられるからです。  また、出張のための交通費や宿泊費は、事後精算して会社が負担するか、あらかじめ定められた出張手当でまかなわれることが多いのですが、「食事代」は、出張してもしなくても必要ですから、会社に支払いの義務があると考えることは難しいですね。 <文・協力/弁護士ドットコム>
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