iOS9.1アップデートでiPhoneはどれくらい進化する?
現地時間の9月16日に満を持して登場したiOS9は、多くの機能をiPhoneにもたらしてくれたが、チューニングが間に合わなかったのだろう。実際のところは不具合が多く、特に旧機種にインストールすると不満を感じる出来だった。
そんななか、10月21日にiOS9.1がリリースされた。メジャーアップデート版となるこのバージョンで、iOS9はどのように進化したのだろうか。
まずはiOS9リリース時から指摘された、数々の不具合修正項目から見てみよう。「カレンダー」のフリーズ、一部アプリの拡大表示など、クリティカルな問題のほか、大きなバグの一つだったPOPメールアカウントのメール数誤表示が修正された。
しかし、すべてのバグが修正されたわけではない。すべての環境で起きている現象ではないようだが、一部アプリでソフトウェアキーボードの反応が悪い、もしくは反応しないという報告がされている。
これはiOS側の問題ではなく、アプリ側がiOS9の仕様にアップデートさせないといけない問題なのかもしれないが、注意は必要だろう。
【不具合修正項目一覧】
・“カレンダー”が“月”表示で応答しなくなることがある問題を修正
・一部のユーザがGame Centerを起動できない問題を修正
・一部のAppの内容が拡大表示される問題を解決
・POPメールアカウントの未開封メール数が誤って表示されることがある問題を解決
・新しいメールまたはメッセージから最近追加された連絡先をユーザが削除できない問題を修正
・“メール”の検索結果で一部のメッセージが表示されない問題を修正
・オーディオメッセージの本文内にグレイのバーが残る問題を解決
・一部の通信事業者でアクティベーションエラーが起きる問題を修正
・一部のAppをApp Storeからアップデートできない問題を修正
一部アプリの安定性が向上している。公式リリースにはないが、Instant Hotspot機能(簡易テザリング)もスムースに使えるようになった。iPhone 6s / 6s Plusの3Dタッチのチューニングも変わったようで、直感的な強さ、自然な力の入れ具合で同機能を使えるようになった。
また、iPhone 6s / 6s Plusではわかりづらいが、全体的に軽量化も果たされたようだ。iPhone 6 PlusにiOS9.1をインストールすると、体感できるレベルでレスポンスが改善されていた。
【向上機能項目一覧】
・CarPlay、“ミュージック”、“写真”、Safari、検索などの安定性を向上
・マルチタスクUIのパフォーマンスを向上
新機能として追加されたものは2つ。Live Photosの起動設定を変更し、iPhone本体の動きを検出する機能と、150文字以上の絵文字が追加された。絵文字のなかには、中指を立てるなど、かなり挑発的な文字もある。公式リリースにはないが、壁紙も追加されている。
また新しい絵文字は、iOS 9.1以前のiOSで動いているiPhoneや、別OSのAndroidに送ると、該当する文字データがないために正しく表示されないことがある点に留意すべきだろう。
【新機能項目一覧】
・Live Photosで、iPhoneを上げたり下げたりしたときの録画を自動的に回避するため、それらの動きをインテリジェントに感知する機能を追加
・Unicode7.0および8.0の絵文字に完全に対応した、150以上の新しい絵文字
About the security content of iOS 9.1によると、iOS9.1は従来のiOS9にあったいくつかの脆弱性をなくしたとのこと。これにより、現時点で脱獄(Jailbreak)するための方法はなくなった。
リリースから1カ月ほどで、かなりの進化を遂げたiOS9。アップデートしたユーザーからの評判もよく、iOS9.0.2へのアップデート時でもそうだったが、iOS9.1へのアップデートで、非公式ながらスマホ本体の空き容量が増えることも報告されている。これは、16GBモデルを使っているユーザーにとっては、嬉しい変更点であろう。
AppleはすでにiOS9.2をテスト中との噂もある。バグについては、ほぼ修正がされた今、どんな機能が追加されることになるのか、とても楽しみだ。<文・写真/武者良太>
【武者良太】
スマートフォン、デジカメ、オーディオをはじめ各種ガジェットのレビュー・インタビューを担当しているフリーライター。ギズモード・ジャパン、WIREDなどのWEB媒体を中心に活動している。
各種不具合を修正
安定性、レスポンスが向上
新機能を追加
セキュリティの向上
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