運行本数大幅削減に駅廃止を決定。JR北海道を追い込む「戦犯」

留萠本線の秘境駅、北秩父別駅 photo by Mr-haruka(CC BY-SA3.0)

 9月30日、JR北海道が運転本数の大幅削減や駅の無人化・廃止の方針を発表した。具体的には、普通列車用の主力気動車であるキハ40系の老朽化・廃車に伴い気動車普通列車の約15%削減、さらに利用の極端に少ない駅の廃止や無人化を来年度のダイヤ改正にあわせて実施するというものだ。  実際にどの路線でどれだけの運行が削減されるか、どの駅が廃止されるかなどはまだ正式に発表されているわけではないものの、札沼線浦臼~新十津川間では現在の1日3往復から1往復削減して2往復になるなどの可能性が噂されている。いずれにしても現状で運行本数の少ない路線がさらに閑散化することは間違いないだろう。こうした動きについて、鉄道業界の関係者の間では「大規模な路線廃止への第一歩」と見る向きが強い。 「札沼線のように現状3往復の路線を2往復にしても問題ないというケースでは、そもそも廃止してもそれほど地域交通への影響は出ないでしょう。来年度中の廃止がすでに発表された留萌本線留萌~増毛間にしても、ただでさえ利用者が極めて少ない上、並行するバス路線もある。度重なる不祥事により経営合理化が求められているJR北海道の現状を考えれば、大赤字を生んでいる閑散路線廃止へと進むのは当然のことです」(内部事情に詳しい鉄道関係者)  現状では、高潮の影響で路線の地盤が崩れて長期運休中の日高本線も、復旧を期待するのは難しいだろう。今後は維持していく路線を限定し、来春開業する北海道新幹線と主要幹線のみを運営する形になっていくことは想像に難くない。
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本数を増やして利便性を上げる事で乗客増加といかない理由
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