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お米大国・日本では、いわゆる“ゴハンのお供”が食文化の一つとして発展してきた。なかでも、ゴハンにふりかけるだけの“ふりかけ”は、その究極系。味気ないゴハンが、瞬く間にご馳走へと変化する。
そして、このふりかけ、最近はアメリカでも「Furikake」として人気だという。しかし、お米を主食としないアメリカで、なぜ、ふりかけが流行っているのだろうか? このブームの火付け役であり「ゆかり」で有名な三島食品の佐伯俊彦氏に、話を聞いてみた。
ハワイやロサンゼルスで「Furikake」ブーム到来!
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スーパーには「Frikake」コーナーもある
「ブームとまで呼べるかはわかりませんが」と前置きをしつつも、「ハワイでは、ふりかけが定着しています。私たちが販促活動を続けた結果だとすれば、嬉しいですね」と佐伯氏は謙虚に語る。
「ふりかけは、スパイスや万能調味料として使われています。ポップコーンにふりかけとあられを混ぜた『ハリケーンポップコーン』は有名ですし、鮭にふりかけをかけた『ふりかけサーモン』も定番の料理になっています。さらにいえば、ハワイで一番大きなファーストフードレストラン「Zippy’s」の料理にも、ふりかけがたっぷりかかっていますね」
ハワイで火がついたふりかけブームは、その後、海を渡ってアメリカ本国に。今年に入ってからは、ふりかけをトッピングするハワイアンフード「Poke」専門店が、ロサンゼルスに30軒オープンしたこともあり、ふりかけはますますメジャーな調味料になっているという。さらに、アメリカのアマゾンレビューでは、どのふりかけも平均して4.5以上の評価を獲得しているというから驚きだ。
⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=62934
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ハリケーンポップコーン
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ふりかけサーモン
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ふりかけをかけたホットドッグ
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カリフォルニア巻きにも、ふりかけが
三島食品が、アメリカに法人を構えたのは、1988年のこと。多民族国家ゆえ、お米を主食とするアジア系移民が多く、チャンスとみて進出したのが始まりだったのだという。しかし、販売当初は苦戦を強いられたようだ。
「今でこそ寿司屋で、海苔を外に巻いた太巻きや中巻きも出回るようになりましたが、当時は海苔のように黒いものを、アメリカ人は受け付けてくれなかったんです。これは、ふりかけも同じで、ふりかけを見て、虫が載っていると勘違いされるケースもありました。 店頭販売では、ふりかけがメインなのに『それはかけないで欲しい』と言われることもありました。でも、徐々に和食や寿司ブーム、さらにはハワイフードブームに乗って「ふりかけはこういうもの」と認知されるようになって、今では海苔で黒々とした「海苔香味」というふりかけが一番の人気商品になっています(笑)」
2001年の売上高と比較すると2015年の売上予想は735%増となっている。この点からも、いかにふりかけがアメリカでブームになっているかが、おわかりいただけるだろう。
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スーパーで販売される「ゆかりロール」
三島食品といえば、やはり「ゆかり」だ。今年で発売45周年を迎えたこともあり、焼きそばとのコラボが実現するなど、今年は特に話題を呼んでいる。しかし、アメリカでは日本ほどの人気はないようだ。
「初めて食べる人には、不思議な味に感じられるようです。もちろん『色が綺麗でおいしい』と言ってくれる方が多いのですが、中には吐き出す方もいらっしゃいます。なので、様々なメニューに『ゆかり』を使って、たくさんの方に気に入っていただけるよう努力しています。最近では、フレンチフライに『ゆかり』をかける『ゆかりフレンチフライ』をメニューに入れるレストランも出てきましたし、全米最大の業務用問屋『Sysco』のトップシェフ(ニールシェフ)は、ステーキにスパイスと色付けで『ゆかり』をかけてくれました。さらに現在、業務用商品の『ゆかりドリンク』を日本酒や焼酎の色付けとしてカジノで販売しようと販売を模索しています」
ふりかけは、スパイスとして受け入れられたようだが、日本が誇る「ゆかり」のアメリカでの浸透度は、まだまだ低いようだ。やはり、「ゆかり」は日本食にしか合わないのだろうか? 「ゆかり」の色と味、“マジックシーズニング”という言葉が一番しっくりくる「Furikake」だと思うのだが。<文・写真/HBO編集部>