ケンタッキーでビール提供開始。その狙いと反響は?

ケンタッキー01 ファミレスや牛丼チェーン店が展開する“ちょい呑み”がブームになり、ファーストフード各社も続々とアルコール類の提供を始める中、ついにケンタッキーフライドチキンでも、この夏から通常店舗でのビール提供が始まった。  関東圏と関西圏にある72店舗では「ザ・プレミアム・モルツ」を店舗の形態に合わせて、樽生ビールか缶ビールを販売。また「オリジナルチキン」「骨なしケンタッキー」「カーネルクリスピー」をビールと合わせたセットメニューも用意されている。  さらに、樽生ビール販売店舗では、17:00~19:00の時間帯に限り、通常より140円安い350円でビールを提供しているというから、仕事帰りにちょっと寄るには、もってこいだ。  残念ながら9月30日までと、期間限定のビール提供ではあるが「店舗限定ということもあり、大々的に宣伝をしていないので、ご存知でない方も多いようです。ですが、実際にご利用いただいた方、特にビジネスマンのお客様には、ご好評をいただいております」と、日本KFCホールディングス広報室の久本尚美さんは語る。  ネット上でも「ビールがついに導入された!」「ケンタッキーでちょい飲み!」といった声が早くも寄せられている。

多様化する需要に合わせ、新規顧客の獲得を狙う

ケンタッキー02

秋葉原店にて。窓からはメイド喫茶の店員を眺めることもでき、快適だ

 「チキンをビールと一緒に食べたい」という声は、以前より数多く寄せられていたが「幅広い層が利用する店内に置くのは抵抗がある」という意見も多く、今までは提供を控えていたという。しかし、時代とともに「食事中に軽くビールを飲むというスタイルが浸透してきた」こともあり、ビールが飲みたくなる時期にあわせて今回の提供に踏み切ったのだそうだ。 「とはいえ、今回は一部の店舗での実施です。提供を始めた店舗も都市部のビジネスマンが多い店舗、家族連れが多いショッピングセンター内の店舗などに絞り、お客様の反応をリサーチしているところです」(久本さん) ※取り扱い店舗は、公式ホームページへ http://japan.kfc.co.jp/news_release/news150807kfc.html

実はチキンとビールを提供するケンタッキーが下北沢にあった

読売新聞東京本社ビル店

読売新聞東京本社ビル店では、夕方5時からビールや他店にはないオリジナル料理が楽しめる

 今回は通常店舗でのビール提供だが、実は以前にもビールを提供する店舗が下北沢にあったという。 「お客様が来店される時間が、昼間から夕方に集中するので、夜の時間帯にも利用していただけるようにと考え、2012年、下北沢にビールの飲める従来とはイメージとは少し異なる店舗を出店しました。ですが、立地的に競合店が多かったので、こちらのお店は残念ながら閉店し、現在は大手町で夕方の時間帯からレストランスタイルでビールを提供する店舗を展開しております」(久本さん)  通常店舗での本格的なビール提供は「まだ未定」とのことだが、今後は均一的なサービスではなく、大手町のレストランスタイルの店舗のように、地域ごとの特色に合わせた商品の展開を考えているという。 カーネル バーガーキングやフレッシュネスバーガーなど、ビールを提供するファーストフード店は、年々増えている。今後、顧客獲得争いはまずます激化しそうだが、KFCは果たして、今夏の商戦を勝ち抜き、勝利の美酒を味わうことができるのだろうか。 <文・写真/HBO編集部>