所得別「ふるさと納税上限額」の計算法

自治体に寄付をすれば、お礼に地元の名産品などが実質2000円でもらえることから、ブームとなっているふるさと納税。2015年4月1日より制度改正がなされ、お得度は倍増。ますます魅力的な制度になっている。そんなふるさと納税を余すことなく活用するテクニックを、達人の金森重樹氏に聞いた!

いくらまでふるさと納税できるか把握しよう!

ふるさと納税

給与収入と家族構成により、どれだけふるさと納税を利用できるかを表している。自営業者や年金をもらっている家族の場合は、上限金額が変わる

 ふるさと納税は、所得や家族構成によって、「いくらまでなら2000円の負担のみで特産品がもらえるか」の上限が細かく変わる。確定申告する必要のない多くの給与所得者(サラリーマン)には、自分の所得や住民税をいくら払っているか、いまひとつピンとこないかもしれない。  資料は、給与収入と家族構成別の上限金額目安を一覧にしたもの。例えば高校生以上の子供がいない夫婦(妻は専業主婦)で、給与収入が500万円の場合、上限金額は5万9000円となる。同じ家族構成で給与収入が700万円の場合は、10万8000円だ。当然だが、課税される給与収入が多ければ、上限金額は上がる。 ⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=50699 「一覧表は、単純に収入と家族構成のみで限度額を示しています。実際には住宅ローン控除や医療費控除、生命保険控除を受けている場合は、上限額が下がります」  少し難しい面もあるが、ふるさと納税を利用すれば、これだけお得なわけだ。源泉徴収票か確定申告書、住民税の決定通知書などで、自分がどれだけ納税できるのかを確認してみよう。

サラリーマンが活用しやすくなったワンストップ制度

米俵 昨年まで、ふるさと納税をお得にする場合には確定申告を行う必要があった。だが今年4月からは、次の3条件をクリアしていれば、確定申告が不要になる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が活用できる。  3条件とは、(1)ふるさと納税先の自治体が5団体以内であること (2)今年1月1日から3月31日までに、ふるさと納税をしていないこと (3)確定申告が不要な給与所得者であること。 「ワンストップ特例制度によって、手続きがゼロになるわけではありません。ふるさと納税の申し込み時に、申請書の提出が必要になりますので、忘れずに行いましょう」(金森氏)  給与所得者にとって、これまでのふるさと納税は、確定申告が大きなハードルとなっていた。納税先の団体へ、「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」の提出が必要とはいえ、給与所得者にはグッと納税しやすくなったと言えるだろう。  また納税先が5団体という条件は、同じ自治体への寄付であればよいということ。年間に何度寄付しても、その都度特典がもらえる自治体を探そう。

どこに納税するか基本戦略を決めていこう

 ふるさと納税の返礼として、寄付先から送られてくる特産品は多彩だ。選択肢が多く、寄付できる上限額のなかで、いかに賢く楽しむか? 達人の金森氏は次のようにお薦めする。 「自分が食べたい物や欲しい物を返礼として送ってくる自治体に寄付するのも良いですが、より実践的には、主食の米からというのが基本です。それでも予算が余っていれば、肉などの副食品。さらに余ればスイーツや酒などの嗜好品へと食指を伸ばしていきましょう」  優先順位の上位に生活に必需な米を据えて、計画を練るべきということ。また上限金額に余裕があるなら、テーマに合わせて寄付先を選ぶのも良いだろう。 「一昨年はビールをたくさん送ってもらいました。でも、ビールを飲み過ぎたせいで、痛風になってしまいました。そこで昨年は、牛肉を多く取り寄せました。その結果、体重が激増。そこで今年の計画では、野菜や果物にシフトすることにしています」  目移りするほど多様な納税の返礼品。まさに、ご利用は計画的に! 【金森重樹】 2014年は年間200件以上のふるさと納税をした達人。その体験を1冊にまとめた『2015年改訂版 100%得をするふるさと納税生活完全ガイド』が好評発売中 ― 達人・金森重樹監修[ふるさと納税]最新ガイド ―
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