DeNA春田氏が明かす著書執筆の理由「南場さんの本には書かれていないことを書いた」

 当時まだ社員数十名だったDeNAに、大手企業から転職。創業者の南場智子氏の右腕として、急成長を支えてきた同社取締役会長の春田真氏。  そんな春田氏が、今年4月に初の著書『黒子の流儀 DeNA 不格好経営の舞台裏』(KADOKAWA)を上梓した。株式上場から球団買収、公正取引委員会の立ち入り検査まで、同社の歴史を包み隠さず記した一冊だ。なぜこのタイミングに? 本人を直撃した。 ――まず最初に、出版に至った理由を教えてください。 春田:きっかけは2つあって、まずは南場さんの本(『不格好経営―チームDeNAの挑戦』)が出版されたこと。その本には僕も登場しますが、あれはあくまで社長としての南場さんの視点なので、より実務的な部分とか、社長の隣にいる人が書いた本があっても面白いかなと思った。  もうひとつは横浜ベイスターズの買収。ちょうど南場さんが会社から離れた時期の出来事なので、それが本にはほとんど書かれてなかった。なので、その経緯や考えたことを形にして、特にウチの社員に遺しておきたかったんです。 ――タイトルに「黒子」とありますが、この言葉を選んだ意図は? 春田:編集さんや広報などから案を出してもらって決めました。世の中的に南場さんの黒子というか裏で支えているというイメージが強いと思います。ただ、僕自身、黒子という意識はありませんでした。南場さんは社長(当時)として、社長がやるべきことをして、僕は僕がやるべきことをする。そういう感じでした。 ⇒【後編】DeNA春田氏が語る、会長退任の理由とこれからに続く http://hbol.jp/37441 【春田真】 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA) 取締役 会長。’69年、奈良県生まれ。’92年に京都大学法学部を卒業したのち、住友銀行に入行。退職後、2000年にディー・エヌ・エーに入社。’11年6月取締役会長に就任。また、同年12月に株式会社横浜DeNAベイスターズ取締役オーナーに就任。’15年1月球団オーナーを退任、6月にはディー・エヌ・エーの取締役会長を退任予定。 <取材・文/井野祐真 撮影/根田拓也>
黒子の流儀 DeNA 不格好経営の舞台裏

DeNA会長が初めて明かす、企業経営とプロ野球参入のすべて