中国人観光客が爆買いする一方で、日本在住の中国人は円安に悲鳴
3月10日の東京外国為替市場の円相場は一時、7年8か月ぶりとなる1ドル122円台に載せるなど、再び円安方向に動き始めた為替相場。
春節休みの時は、まだそこまではいってなかったものの、それでも数年前と比べれば格段の円安もあって中国人観光客による「爆買い」は各メディアで報じられた。なにしろ、この2年くらいの間に1人民元が5円近く円安に触れているのだからその影響も大きい。
そんな中、同じ中国人でもこの円安に困惑している人がいる。そう、日本に在住の中国人だ。
都内で数点の中国人マッサージ店を経営する日本人オーナーは語る。
「うちのような中国人マッサージ店で働く女のコは、業者を通じて知り合った日本人男性と結婚しているコが少なくない。結婚のためには女のコ側も仲介業者にかなりの額の仲介料を払わなくてはいけないんです。だから来日後、結婚生活をしながら借金を返さないといけなくなる。それでウチみたいなマッサージ店で働くことになるんですが、この円安で借金が増えたようなもんなんで気の毒ですね。借金がなくても、親や兄弟に仕送りするために働くコもいる。仕送りの額が減ってしまうわけですからこちらも大変みたいです」
ある中国人留学生は、春節休みに本国から来日した友人たちと会ったときのことをこう語る。
「ボクがコンビニのバイトで頑張って生活しているのに、みんな『爆買い』とか言って高級品とか買ってるんだからいい気なもんだと思ったよ。仕送りのある友人やこれから留学する人は円安でメリットあるけど、もう日本で生活していて仕送りがないボクみたいな貧乏人はツライですよ。あと、爆買いにしても、マナー悪い買い方とかされると、いま日本にいる中国人のイメージも下がるからそっちも何とかして欲しいです」
この先、さらに円安が進むと彼らの生活もよりいっそう厳しくなりそうだが……。
「帰国を考える友人も少なくないですね。ボクは日本が気に入っているからこの先も日本で仕事を見つけて生活していきたい。そのためにも、早く下のほうでも景気回復を実感できるようになってもらって、賃金も上げて欲しいですね(笑)」 <取材・文/HBO取材班>
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