「地方創生」に必要なのはバラマキではなく魅力的な制度づくり【現役金融マン ぐっちー氏】

“地方再生”“地域おこし”を合言葉に、安倍政権が大規模なバラマキ政策を敢行する。政治家、役人が先のことを考えず推し進めるこの政策の落とし穴を指摘し、ぐっちーさんが本当の“地方創生”を提言する。

バラマキによる地方創生は国民の重荷になるだけです!

(現役金融マン ぐっちー氏) ⇒【前編】安倍政権の地方再生はしょせんバラマキ
地方創生

首相官邸HPより

 はやりのピケティになぞらえるなら、地方において、もともと財産を受け継いでいてr(資本収益率)が簡単にg(経済成長率)を超える人は地方に残るが、そういう不労所得(相続)のない優秀な人はrの極大化を求めて東京に出るしかない、という構図がここにはあるのです。  ただ、これをひっくり返すのは意外に簡単で、例えば東京以外の都市で稼いだ収益をその地方に再投資するなら法人税をかけない、というような、本当に稼ぎたい人が魅力的に思える制度を整えることです。  政府が自ら次の産業を育てようとお金を使ったところで、高度成長期と違って何が次の産業の主役になるかは誰もわからないので、無駄になるだけ。  結果的にやる気のある人が稼げば税収は自然に増える、ということはアメリカでも、私がアドバイザー役として協力している岩手県紫波町でも証明されています。 【今週の数字】 ’15年度の地方の一般財源総額 61.5兆円 人口減対策・企業誘致など「地方創生」のために使える1兆円の予算枠が新たに設けられるなど、地方自治体が政策のために自由に使える予算の総額が過去最大になった 【選者】現役金融マン ぐっちー氏 ウォール街で20年生きてきたノウハウからブログを執筆するアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://sweetpoolside.jp/)を主宰している 図版/ミューズグラフィック
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