超過密路線の中央線が抱える抜本的な問題とは?

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 2月4日、JR東日本が中央線にグリーン車を導入すると発表した。JR東日本によれば、対象となるのは現在E233系で運転されている中央快速線と直通運転を行う青梅線の全列車。現状の10両編成からグリーン車2両を連結した12両編成にし、2020年度をめどに開始する計画だという。  混雑緩和が期待されるが、実はそれだけでは解決しない「中央線が抱える抜本的問題」があるという。 ⇒Vol.1:「中央線のグリーン車導入で、通勤ラッシュはどうなるのか?」(http://hbol.jp/24752) 「中央線の最大の問題は、三鷹以西がいまだに複線であること。立川までの複々線化計画は前々からありますが、法律面や資金面などが壁となって実現のめどは立っていません。そのため、三鷹以西では上り下りそれぞれ一本の線路に快速や特別快速、さらにかいじ・あずさなどの特急列車も走らせている。結果として、特急列車も低速度での運転にならざるをえず、前を走る特急のために快速もある程度の間隔をあけないと運行できないなどの問題が生じています」(鉄道専門誌の記者)  現在、立川以東で緩急接続、いわゆる「電車の待ち合わせ」が可能な駅は、国分寺と三鷹、中野のみ。中野では緩急接続はほとんど行われていないので、特急や特別快速が先行列車を追い抜くことができるのは、実質2駅のみとなっている。これによって、日中であっても運行本数が大きく制限され、特急利用者にとっても、快速線利用者とっても便利とは言えない状況になっているのだ。 「また、複々線化している中野~三鷹でも複々線を効率的に運用できていません。複々線は各駅停車の電車線と途中駅を通過して中近距離を結ぶ列車線にわけて運用されるべきもの。ところが、中野~三鷹では総武線各駅停車も中央線快速も全駅に停車している。本来ならば、中央線快速が走っている線路を列車線(中長距離の列車が運用する線路)として、途中駅を通過するような運用が理想です」(前出の記者)  なぜ、中野~三鷹間だけでも快速が途中駅を通過するような運用ができないのだろうか? そこには中央線の抱える「歴史的問題」があった! ⇒Vol.3:「中央線の効率運用を阻む”杉並3駅問題”とは?」(http://hbol.jp/24754)に続く <取材・文・写真/境正雄>
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