64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

32bit、64bitのシェア

 私は昔からオンラインソフトを配布している。最近、32bit版と64bit版を同梱して配布しているアプリケーションがあり、ファイルサイズが大きくなり困っている。2年ほど前、64bit版のみを配布してみたら「32bit版の Windows で動かなかった」と言われてしまった。  Windows の32bit版と64bit版のシェアを集計している所は少ない。Steamハードウェア&ソフトウェア 調査において比率が出ているが、Steam はゲーム用のマシンを積極的に購入する層なので、実態を反映しているとは考え難い。  OSのシェアは、NetMarketShare で見ることができる。2021年のシェアを見ると、Windows 10 が66.64%、Windows 7 が18.49%、Windows 8.1 が2.57%、Windows 8 が0.50%となっている。  32bit版から64bit版への移行は、Windows 7 の頃に起きている。Window 7 は2009年秋に出た。このOSを搭載したパソコンの2010年夏モデルでは、64bit版が7割に迫る状態になっている(週刊BCN+)。これ以降、64bit版が主流になったと思われる。  仮に Windows 7 の半数が32bit版、それ以外が64bit版と推定すると、32bit版のシェアは約10%程度となる。少なくとも1%を切っているとは思えない。まだまだ32bit版のパソコンが稼働していると見てよいだろう。  あとどれぐらい経てば、64bit版アプリケーションのみの配布で大丈夫になるのだろうか。Microsoft ではないが、いつぐらいに移行が終わるのだろうかと思っている。 <文/柳井政和>
やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『レトロゲームファクトリー』。2019年12月に Nintendo Switch で、個人で開発した『Little Bit War(リトルビットウォー)』を出した。2021年2月には、SBクリエイティブから『JavaScript[完全]入門』、4月にはエムディエヌコーポレーションから『プロフェッショナルWebプログラミング JavaScript』が出版された。
1
2
3
ハッシュタグ