失敗だらけの大阪のコロナ政策は検証せず、図書館批判を見当違いの自称ファクトチェックする維新。もちろんそれも「ファクトチェック」チェック

コロナ対策より選挙応援優先の吉村府知事

撮影/選挙ウォッチャーちだい

大阪の維新府政が招いた最悪のコロナ禍の中

とうとう三次救急の受け入れが止まり、病院に搬送するまでに20時間かかったり、酸素吸入器が足らなくて実質的なトリアージがで行われていると言われる大阪。「医療崩壊」どころか「社会崩壊」と言われるぐらいの大災害がリアルタイムで起こっている中、本来であれば、この状況を少しでも緩和するためにどうしたらいいかを考えなければならない大阪の与党「大阪維新の会」が、この期に及んで、また「ファクトチェック」(自称)なるものを公表してきましたので、皆さんに報告したいと思います。  大阪がこれだけ悲惨なことになっているのですから、何か緊急性の高いファクトチェックが行われるのかと思いきや、今回のテーマは「図書館から新聞が消えた話」で、百万歩譲って、それがデマだったとして、今、このタイミングでファクトチェックしなければならない話なのでしょうか。そんなことしている暇があったら、この状況を大阪府民のお願いに頼らず、「どうにかする方法の一つも考えて来い!」という話です。それでは、さっそく検証してみましょう。

維新の自称「ファクトチェックチェック」第5弾

 今回、晒し上げられているのは、第5弾にして初となる、市議会議員のツイートです。これまでは一般市民のツイートが、ちっともデマではないのにデマだと言われ、大阪与党である政党に悪者にされてきたわけですが、今回は枚方市の市議会議員が晒し上げられ、「議員だったらいいでしょう?」という感じです。晒し上げられたツイートの中身は、こうです。 かつて社会教育の町と言われた枚方市。今は中央図書館の雑誌や新聞などの予算が減らされ、この状態です」(出典:枚方市議つつみ幸子氏のツイッターより。下記画像も出典同じ)  見るも無残な「購入中止」の嵐。流通、産業、工業といった専門性の高い新聞に加え、視覚障害者のための雑誌も購入中止となっている写真が添付されていました。論より証拠、写真を見れば一目瞭然。これをデマだと言うのはさすがに無理がありますが、大阪維新の会は何を言っているのか。 ・枚方市の図書予算については当初、令和3年2月19日に前年度より約1200万円減額した予算が計上されたが、3月15日に約2500万増の補正がなされ、結果として約1400万円の増額となっている。 ・枚方市ではアフターコロナの社会を見据え、非来館・非接触型サービスとしての電子書籍の導入や館内Wi-Fi環境の整備など、ICTを活用したサービスの実施を進めている。図書デジタル化に関する電子書籍購入等に国費を活用した予算編成を行ったことにより、市単費分の当初予算(2月)と国費分の追加補正(3月)の計上時期がずれることとなった。  大阪維新の会の言い分によれば、一度は減額されたものの、今は予算が増えているので「予算が減った」はデマである。ついでに、今は時代に合わせて電子書籍を購入する時代だということを言いたいようです。  ところが、この手の問題に最も詳しいのは「共産党」です。潮干狩りができるほど浅い知識で論破した気になっている「大阪維新の会」に対し、晒し上げられた共産党の市議は、以下のように反論しました。 「この調査結果には令和3年度の予算について書かれていますが、私のツイートは令和2年度に雑誌や新聞などの購入費50万円が減らされた結果、3月に図書館の棚に購入中止の札が貼られているのをつぶやいたものです。令和3年度は、その費用はさらに減らされたので予算委員会で指摘しました。令和3年度の予算委員会では、教育長に、市民に必要な資料提供ができるのか質問し、教育長は『今後の図書購入費は電子図書も含め、財源の確保を図りながら例年の規模を維持できるように対応したいと考えている』でしたので、今後、雑誌や新聞の購入費についても確保してくれると期待しています。この調査の中に、市民ニーズの低いものは購入をやめるということが書かれていますが、図書館としてこの考えは間違っていると思います。また、アンケートといったことも書かれています。この件もさらに調査して追及したいと思います。市民の皆さんの知る権利を奪うことにならないよう引き続き頑張ります。追加、令和3年度の補正予算で、国の地方創生臨時交付金を活用し、コロナ感染症への関連経費として、電子図書のシステム構築と電子書籍の購入が計上されました。しかし、雑誌や新聞の購入費については増額されていません」  要するに、図書館のコロナ対策につけられた予算で、新聞や雑誌を購入できるはずもないので、やっぱり共産党の市議が言うとおり、枚方市の図書館から新聞や雑誌が消える現象というのは解決していないのです。にもかかわらず、大阪維新の会のファクトチェックは、ドヤ顔でこのように解説しています。 “図書館の図書予算については2月19日時点では市負担分のみが予算計上されており、見かけ上、減額されたように見えるが、3月15日に国費分が追加補正(3月29日議決)されたことで図書館の総予算は昨年度よりおよそ1400万円の増額となった。つまり端的に言って、市民負担を軽減しつつ図書館の利便性向上を図るための予算総額は増額したことになる。今回のツイートの発信者は枚方市の市議であることに鑑み、市の事業内容を予め承知する、もしくは調査し得る立場にあったことから、市議本来の職務である政務調査を満足に行わず事業内容の全体を理解していなかったか、あるいは故意に事実を切り取って発信した可能性が考えられる。”  これほどマヌケな解説は滅多にあるものではありません。この解説を書いた大阪維新の会の中の人は、予算全体の金額は把握していたものの、予算の細かい内訳を把握しているわけではなかったため、ドヤ顔で「市議本来の責務である政務調査を満足に行わず事業内容の全体を理解していなかった」とホザいていますが、「オマエなんだよ、オマエ!」という特大ブーメランです。こんな恥ずかしい解説をしている奴は、「EXPO2025」と書かれた服を捨てて、葉っぱでできた服でも着ながらブーメランを磨くべきでしょう。投げたブーメランが鳥にもかすらず、脳天にぶっ刺さっています。
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検証されるべきは、維新のコロナ対策である
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