新年度から一か月で業務方針が絵に描いた餅に!? 早くも外れた計画を軌道修正するための3つの観点とは

 業務方針の修正の頻度が高まっている。かつては、一旦方針を決めたら、その期間は絶対方針を変えないという固定観念がはびこっていて、方針と現実との乖離があちこちに見られた。しかし、環境変化が加速する今日、それでは方針そのものが有名無実化することに、多くのビジネスパーソンが気づくようになった。

業務方針修正のための3つの観点

業務方針のイメージ画像

photo via Pexels

 業務方針の修正というと、目標数値を上方修正したり、下方修正することだと思う人がいるが、それだけでは不十分だ。私は業務方針を修正する際には、3つの観点で修正検討することをお勧めしている。  ひとつ目は、「戦略仮説要件の正否」だ。多くの場合、業務方針は戦略仮説を基に立てていることだろう。そこで、環境変化によって、戦略仮説そのものが成立する状況が影響されていないかどうかを確認する必要がある。  たとえば、A技術を開発することにより、B製品にA技術を組み込み、C市場でのシェアを10%高めるという戦略仮説を設定したとする。この仮説を満たす要件は、A技術が○○までに開発されること、B製品がそれまでに○○%のシェアを維持していることだとする。  環境変化により、A技術の開発スケジュールに影響が出ていたり、B製品のシェアを維持できなかったとすれば、戦略仮説を満たす要件が成立しなくなるので、要件を修正する必要がある。要件を修正できなければ、戦略仮説そのものを見直す必要がある。次のテンプレートで検討をすると、修正箇所を見出しやすい。 戦略仮説要件

「プロセス設計」で修正箇所を見極める

 2つ目は、「設計したプロセスの正否」だ。戦略仮説要件の検討で、仮説を満たす要件を実現するアクションを洗い出す。そのアクションを時系列と、マクロ・ミクロの観点で並び替えると、プロセスを設計しやすい。  時系列とは、着手する順に経過を辿って、アクションを並べるということで、マクロ・ミクロとは、大局的な打ち手から小局的な打ち手の順に整理するということだ。  環境変化により、当初予定した着手順に実行できない状況はよく出てくる。また、大局的な打ち手が実施できず、消極的な実施策をとれない、あるいはその逆のことが生じやすい。次のテンプレートにアクションを当てはめると、これらの修正箇所を見極めやすい。 プロセス設計
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3つの観点は業務方針の修正以外にも応用可
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