台湾政府をも動かした「鮭魚の乱」の改名ブーム――背景に熾烈な「回転寿司競争」も
3月中旬、台湾で突然「鮭魚の乱」と呼ばれる「改名ブーム」が突然起き、国を動かす事態となっている。
そのきっかけとなったのは――台湾でも人気を集める「回転寿司」だった。
「鮭魚の乱」の発端となったのは、回転寿司大手「スシロー」の台湾法人「台湾スシロー(台灣壽司郎)」が今年3月に開催した鮭フェア「愛の迴鮭祭」。
そのなかで3月17日から18日までのあいだ「6人までの1グループのうち本名に『鮭』『魚』と同じ読み(北京語読み)が1文字含まれる人がいれば1割引き、両方が含まれる人がいれば半額、そして『鮭』『魚』の両方の字を含む人がいれば無料になる」というキャンペーンの実施を発表したところ、名前を「鮭魚」に改名した人が登場。SNS上に名前が「謝 鮭魚」となった国民身分證(マイナンバーカードに相当)の写真とともに「本当に改名した」「(6人まで無料なので)誰か寿司を食べる?」と投稿したところ話題を呼び、全国で「鮭魚」に改名する人が相次ぐこととなったのだ。
実は、台湾では届け出れば一生に3回まで改名をおこなうことが可能で、かかる費用は「国民身分證」の発行手数料50台湾ドル(約190円)と戸籍の書き換え費用30台湾ドル(約110円)のみ。新たな身分證は即日発行することができる。
台湾メディアによると、なかには次のキャンペーンを待つべく他の魚の名前を入れた者や、さらに他店での便乗キャンペーンを期待して台湾最長の36文字の名前となる「陳 愛台灣國慶鮑鮪鮭魚松葉蟹海膽干貝龍蝦和牛肉美福華君品晶華希爾頓凱薩老爺」(陳 台湾好き・建国記念・鮑・鮪・鮭・松葉蟹・ウニ・帆立貝・伊勢海老・和牛・美福ホテル・福華ホテル・君品ホテル・晶華ホテル・ヒルトンホテル・凱薩ホテル(凱撒の誤字?)・ロイヤルホテル)に改名した人も登場したという。なお、この「長名記録」も翌日には「鮭魚」を含む40文字の名前を持つ人物に塗り替えられることとなった。
結局、18日までの改名者は少なくとも331人にも上ったといい、あまりの過熱っぷりに台湾内政部が「親が付けてくれた名前を大切にして」「不必要な行政作業を増やさないで」と声明を発表する事態となった。
ちなみに台湾内政部によると、スシローのキャンペーン前から国内に10人の「鮭魚さん」が存在したという。
きっかけはスシローのサーモンだった…?
331人にものぼる改名者が出現!
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