九曲堂駅がある台鉄屏東線の車両にはパイナップルのラッピングがなされているものも。
美味しい高級果物が中国の輸入停止により在庫過多になっており、しかも買うだけで支援になるとなれば買わない手はない――と思う人も多いであろうが、それでは一体どこで買えるのであろうか。
これまで国内で台湾産パイナップルを販売していた店舗は多くが百貨店のデパ地下やフルーツ専門店であったが、今年は輸入量の増加によってスーパーマーケットでの取り扱いも大幅に増えている。
台湾の政府系通信社「中央通訊社」などによると、すでに台湾産パイナップルの販売をおこなっている日本のスーパーマーケットは以下のとおり。
・西友・サニー(本社:東京都北区)
・食生活ロピア(本社:神奈川県川崎市)
・ベルクス(本社:東京都足立区)
・ツルヤ(本社:長野県小諸市)
・イズミ(ゆめタウン・ゆめマート)(本社:広島県広島市)
このほか、都商研の取材や各社の発表によると、以下のスーパーの一部店舗でも販売が確認されている(3月中旬現在)。
・イトーヨーカドー(本社:東京都千代田区)
・イオン(イオンリテール運営店)(本社:千葉県千葉市)
・ダイエー(本社:東京都江東区)
・三徳(本社:東京都新宿区)
・マルエツ(本社:東京都豊島区)
・いなげや(本社:東京都立川市)
・相鉄ローゼン(本社:神奈川県横浜市)
・ライフ(本社:大阪府大阪市)
・イズミヤ(本社:大阪府大阪市)
・マックスバリュ西日本/マルナカ(本社:広島県広島市)
・エブリイ(本社:広島県福山市)
※いずれも全店舗で販売している訳ではないため、詳しくは店舗に問い合わせを。
※完売・入荷待ちの店舗が多くなっている模様
販売価格はフィリピン産パイナップルの約2倍前後で、1玉500円台~800円台ほど。なかにはカットパインを販売している店舗もあった。
なお、取材したあるスーパーでは「入荷したが1日で売り切れてしまった」「次回の入荷は未定」だといい、すでに完売して次の入荷待ちとなっている店舗も多いとみられる。
台湾パイナップルを入荷したものの、すぐに完売したスーパーも多いようだ
このほか、先述したとおり、高島屋や伊勢丹/クイーンズ伊勢丹など一部の百貨店と系列店舗では、以前から台湾産パイナップルの販売がおこなわれている。大手百貨店のデパ地下には売場にコンシェルジュなどが配置されている例もあるため、入荷予定を聞いてみるのも良いであろう。
東京・コレド室町テラスにある台湾の大手書店「誠品書店/誠品生活日本橋」でも、台湾産パイナップルを使った商品が販売されている。都内の方は行ってみては。
日本での台湾産パイナップル人気の高まりは台湾でも報道などで知られることとなっており、蔡英文総統や頼清徳副総統がツイッターで感謝のツイートをおこなっている。
近年輸入量が増加しつつあった台湾産パイナップルであったが、台湾・中央通訊社などによると、2021年の輸入量は3月中に2020年の約3倍にあたる6000トンを超える見込み。輸入量の増加に伴って「美味しさ」のほうも口コミで広がっており、今後はさらに取り扱い店舗が増えていくものと思われる。
「近くのスーパーに売っていなかった!」という人も、また日を改めて探してみることをおすすめしたい。
「フルーツ王国」として知られる台湾南部の市場(高雄市)。再びここでパイナップルを味わえる日が来ればよいのだが――。
<取材・文・撮影/若杉優貴(都市商業研究所)>
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体『
都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「
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