「肌着禁止」に驚きの声。日本の「ブラック校則」にショックを隠しきれない外国人たち

多様性とは正反対の校則

 容姿に関連したブラック校則・学校の謎ルールでは、地毛証明書ツーブロック禁止も話題となった。今年2月には、なんと都立高校の4割で地下証明書が要求されていたことが、共産党都議団の情報公開請求によって発覚している。(参照:朝日新聞デジタル)  「子どもたちには人を見た目で判断してはいけないと教えているはずですが、それを教える側の学校が、率先して決められた髪型を押しつけているのが皮肉です。世の中にはいろいろな人がいるということを学べるのも、学校のいいところだと思うんですが……。大人が強制するルールを、子どもたちは身を以て感じているわけですから、影響は大きいはずです」(男性・フランス人)  ダイバーシティ多様性という謳い文句とは裏腹に、幼少期から画一的な容姿を強いられ、「証明書」まで提出しなければいけないとなれば、その後の人生や考え方に影響することは間違いないだろう。  「自分の見た目に悩んでいたり、何か変化を求めている子どもを全否定するということですよね。こんなくだらないルールに、みんな黙って従っているのがとても不思議です。  海外でも私立などでは細かい規定もありますが、それは本人が納得したうえで入っているわけですから。公立でこうした決まりがまかりとおっているということは、日本の姿勢がそこに表れているということです。みんな同じじゃなきゃいけない、と」(女性・オーストラリア人)

日本の教育システムは破綻している

 最後は、死者負傷者まで出ている、運動会体育祭の組体操「ピラミッド」だ。こちらも外国人にはかなりショッキングなようで……。  「こんなもの大人がやっても危ないってわかるのに、子どもにやらせるのは虐待じゃないの? それも怪我人まで出てるのに続けるなんて、無責任どころの話じゃないよね。やらせた教師は刑務所に入ったの? まあ、日本は『タケシズ・キャッスル』(『風雲! たけし城』)の国だから、これが普通なのかもしれないけど……」(男性・ポーランド人)  事故が相次ぎながらも、いまだに「協調性」や「一体感」を理由に、一部地域では続けられているピラミッド。しかし、これも外国人の目には、単なる「言葉遊び」に映っているようだ。  「そもそも、なぜこんなことを学校でしなければいけないのか、意味がわかりません学校は勉強するところで、アクロバットを練習する場所ではありません。ピラミッドを続けなければチームワークが学べないのであれば、その教育システムは破綻しています。怪我人はもちろん、死者まで出ているなら、これはもう『変なルール』じゃなくて、『アビューズ虐待)』ですよ」(女性・フィンランド人)  多くの子どもたちが犠牲となりながらも、一向になくなる気配のない理不尽な校則や伝統。まずは、「ブラック校則」や「学校の謎ルール」といった言葉で、「犯罪」や「ハラスメント」を覆い隠すことをやめるべきだろう。  子どもたちの未来を左右する、大人たちの学ぶべきことは、まだまだ多そうだ。 <取材・文/林 泰人>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
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