パナソニックの最新IHクッキングヒーター。大型の「IH&遠赤 Wフラット ラクッキンググリル」を搭載するのが特徴。
コロナ禍による巣ごもり需要は、さまざまな家電の買い替え、買い足しを後押ししている。 家でご飯を食べる内食が進む中、この機に自宅をリフォームするというトレンドも生まれている。そのなかでキッチンのリフォームを考えたときにでてくるのが、ビルドインIHの採用だ。
IHクッキングヒーターにはガスコンロに比べて熱効率が高く、高火力で調理できる。直火を使わないので安全、そして拭くだけでいいのでメンテナンス性が高いなど、メリットも多い。タイマー設定に加えてオートプログラムを用意する製品も多く、よりスマートに操作ができる。直火を使わないので夏場にキッチンが熱くなることもない。
今回、記者が参加したパナソニックIHクッキングヒーター説明会の内容から、今後のIHクッキングヒーター市場の動向を考察してみたい。
IHクッキングヒーターは2000年代にオール電化で急成長
日本国内で最初に IHクッキングヒーターが登場したのが1974年のこと。ホテルや飲食店向けの IH調理器「クールトップワゴン」が現在のパナソニックから発売された。
日本初のIH調理器。ワゴンタイプだった
そして本格的な一般家庭への導入が始まるのが1990年。200V対応IHクッキングヒーターの登場がきっかけだ。
このころには初のオール電化住宅も分譲されている。そして2000年代にはいると、オール電化住宅が急拡大。
2002年にはパナソニックが加熱コイルの周波数を30kHzから90kHzにアップさせることにより、アルミのフライパンや銅鍋なども使えるオールメタル対応のIHクッキングヒーターの開発にも成功。その後、日立もオールメタル対応製品を発売している。
最初は鉄、ステンレス製の鍋、フライパンしか使えなかったIHクッキングヒーターだがオールメタル対応で使い勝手がアップした。
IHクッキングヒーターは使い勝手も向上したこともあり、2011年の東日本大震災まではほぼ右肩上がりでの成長が続いていた。しかし、震災後に、電力会社のオール電化住宅への施策が大きく変わったことや、家庭のインフラを電気だけに依存することのリスクが広がったことにより、普及に急ブレーキがかかる。
しかし、パナソニックによると、近年は再び需要が伸び始め、年間の総需要が60万台を超えてるまでに復調。販売台数も右肩上がりだという。