’17年を上回るバブル相場に突入!米ハイテク企業の買いも後押し。年内にビットコインは1000万円を超えるか
昨年末から急騰を始めたビットコインはまさかの600万円台へ。“バブル”と言われた’17年の2.5倍以上に値上がりした。さらなる上値余地はあるのか? 仮想通貨の専門家に聞いた
イーロン・マスクの「仮想通貨煽り」が止まらない。CEOを務めるテスラによる15億ドルのビットコイン投資が明らかになったのは2月。これで600万円への暴騰劇を演出したかと思えば、一転して「買われすぎ」とツイート。今度は460万円前後まで20%の急落を誘発した。
イエレン米財務長官はビットコインを「極めて投機的」と指摘したが、そのとおりの乱高下を見せている。
「マーケットは上がったり、下がったりを繰り返すもの。特にビットコインは波が高いですが、中長期的には上昇すると見ています」
こう指摘するのは昨年、週刊SPA!で「’20年末に2万ドル」と予想し、見事に的中させた仮想通貨取引所FXcoinのシニアストラテジスト松田康生氏だ。
「ビットコインの上昇が始まったきっかけはテスラに代表される米国の事業法人による投資。その背景にあるのはコロナ対策として世界中で実施されている金融緩和です。お金余りの状況が加速したため、インフレ(通貨価値の下落)リスクが増大。そのリスクをヘッジするために、ビットコインに投資する企業が増えたんです。
世界最大の資産運用会社であるブラックロックのほかハーバードやエールといった名門大学の基金、最大の年金基金であるカルパースなども今年、続々とビットコインへの参入を表明しています」(松田氏)
個人投資家主導から機関投資家が牽引する相場へ、ビットコイン市場は性格を変えつつある。仮想通貨で10億円以上の資産を築いた個人投資家のヨーロピアン氏も次のように話す。
「米ハイテク企業のマイクロストラテジーは昨年8月に自己資金でビットコインを購入すると発表し、この2月には9億ドルの転換社債を発行してビットコインに追加投資することを発表しました。
本業がおろそかにならないか不安な面もありますが、今後もこうした企業による投資は続く。米国の事業法人が保有する金融資産は3000兆円もあるので、仮にその1%を振り分けたら30兆円。足元のビットコインの時価総額は約100兆円なので、企業による投資が加速すれば、さらに30%以上の値上がりは期待できます」
加えて、機関投資家による買いも継続することが予想されているという。eワラント証券投資情報室長の多田幸大氏が話す。
「2月には世界最大の先物取引所であるCMEにイーサリアムの先物が上場し、カナダで初のビットコインETFが上場して運用資産が1万BTCを超えました。機関投資家には変動率が大きく、ハッキングリスクもある現物はハードルが高い。先物やETFの充実でさらに買いが増えると考えられます」
では、ビットコインはどこまで値上がりする可能性があるのか? 松田氏によると、ビットコインの新規発行量が半分に減る“半減期”から推測することが可能だという。
年内にビットコインは1000万円を超えるか?
さらに30%以上の値上がりも期待できるか
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