この国の政府に文化芸術を支援する気はなし!? WeNeedCultureによる公開質問4問に対する文化庁のゼロ回答

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Holger Langmaier via Pixabay

WeNeedCultureが責任者6名に送った4問の公開質問

 2021年2月10日、WeNeedCulture(文化芸術の復興・継続のために集う映画・音楽・演劇・美術の共同体)は、「文化芸術への公的支援についての公開質問状」と題して、本件の責任者・関係者である6名(菅義偉総理、麻生太郎財務大臣、萩生田光一文科大臣、梶山弘志経産大臣、宮田亮平文化庁長官、山口那津男公明党代表)に対して、質問状を送付した。  昨年2月26日に安倍晋三総理(当時)が最初にイベント自粛を呼びかけてから実に1年近くが経過している上、今年1月の2回目の緊急事態宣言によって、文化芸術関係者の困窮がより深刻になっていることを受けての行動であった。  4つの質問では、現状の文化芸術への支援内容の数々の矛盾緊急事態宣言でイベント自粛を求める一方でコロナ収束を前提に新しい取り組みを求める、前払いがないため既に現金が不足している文化芸術関係者は利用しづらい、自粛を求めながら協力金は対象外、等)を指摘しつつ、文化芸術が支援の対象外となっている理由や政府の認識を問い質している。 〈*公開質問状の書面はWeNeedCultureのツイート参照〉

たった4つのシンプルな、しかし切実な質問

 以下、質問4問の全文を掲載する。 【質問1】  現在示されている文化庁や経産省の文化芸術分野への支援策は、コロナ収束後を見越した、新たな取り組みへの経費補助です。これらの支援策では前払いがないため、現時点で既に廃業寸前の文化芸術関係者は経費を立て替えることができず、申請すらできません。なぜ今を支えるための使途を問わない給付型の支援ができないのでしょうか。 【質問2】  この一年、文化芸術関係者は、公演や上映の中止、客席数を50%以下に制限するなど、活動を制限して感染拡大防止に協力してきました。現在も文化芸術関係者の多くは、法律に基づかない「働きかけ」によって、夜8時以降の活動を自粛せざるをえない状況におかれています。しかし、それに対する協力金は支払われておりません。なぜでしょうか。 【質問3】  文化庁の例年の年間予算はおよそ1000億円で、先進国の中でも少ない部類に位置します。支援の範囲も狭く、これまでライブハウスやクラブ、ミニシアターといった民間の小規模文化施設は支援対象にすらなっていませんでした。諸外国では文化芸術団体の存続のための緊急支援を政府が率先して行っています。この国の文化芸術を守るために、政府ができることはなんだと思いますか? 【質問4】  現在厳しい状況にある文化芸術団体、文化芸術のフリーランスの担い手などの文化芸術関係者へのメッセージをお願いします。  結果、質問の送付先は前述の6名であったが、回答期限2月17日までに2つの回答が書面で届いた。 〈*回答内容は2月18日夜にライブ配信された「WeNeedCulture at DOMMUNE」にて公開。回答の読み上げ、関係者の受け止めはyoutubeのDOMMUNEチャンネルの動画5時間8分9秒〜5時間26分50秒で視聴可能〉
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これら切実な文化芸術関係者の叫びに政府側はどう答えたのか?
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