Juice=Juice高木紗友希さんの活動終了。ハロプロファンが抱いた、アイドルの「恋愛=即脱退」への違和感

 2月12日、ハロー!プロジェクト(以下ハロプロ)内のアイドルグループ、Juice=Juiceのメンバーである高木紗友希さんの活動終了が公式サイト上で発表された。

ようやく脚光を浴び始めた中での活動終了

 2月11日、文春オンラインにて高木さんが人気アーティストと交際しているという記事が掲載され、それからわずか一日、事務所は高木さんのハロプロ及びJuice=Juiceでの活動を終了するという決断を下した。  ファンの間でも彼女の歌唱力はハロプロ内トップクラスと言われ、これからの活躍が期待されていただけにこの知らせには肩を落とすしかなかった。昨年公式YouTubeにアップされたソロの歌唱動画が70万回以上再生され、音楽番組でも彼女の歌唱力が絶賛されるなど世間的にも脚光を浴び始めた矢先のことだった。  個人的な話で恐縮だが、筆者はデビュー当時から彼女のことを応援しており、コンサートに幾度も足を運んできた。そんないちファンとしては、『Magic of Love』のパワフルなフェイクも、『ポップミュージック』の「ちゅるちゅるぷにゅタピオカミルクティ」も、もう聞くことはできないのだろうかと残念で仕方ない。  彼女の成長を間近で見てきて、未来を楽しみにしていただけに道が突然ぷつりと閉ざされてしまったような気がしたのだ。グループ内の話をすると、「エース」と呼び声高かった宮本佳林さんが昨年12月に卒業した直後のことである。高木さんの才能までもを失ってしまうというのは、あまりにも惜しい。

そもそもアイドルの恋愛禁止はいつまで続くのか

 アイドルが恋愛によってグループを抜けるとき、常に議論のテーブルに上がるのは「アイドルの恋愛禁止ルールは正しいのか否か」という問題だ。  まずは、法的な観点からアイドルの恋愛禁止を見てみたい。  一つ目の事例は、2015年9月18日のこと。東京地裁は「交際禁止」の規則に違反した元アイドルに賠償金65万円の支払いを命じた。 「判決で児島章朋裁判官は、アイドルとは芸能プロダクションが初期投資をして媒体に露出させ、人気を上昇させてチケットやグッズなどの売り上げを伸ばし、投資を回収するビジネスモデルと位置付けた。  その上でアイドルである以上、ファン獲得には交際禁止の規約は必要で、交際が発覚すればイメージが悪化するとした。会社がグループの解散を決めたのも合理的で、少女に65万円の支払いを命じた。」〈参照:読売オンライン〉  二つ目の事例は、2016年1月18日のこと。アイドルの女性がファンとの交際を禁じた規約に違反したとして、マネジメント会社が女性と交際相手男性らに約990万円の損害賠償を求めたが、東京地裁は会社の請求を棄却した。 「判決は、『ファンはアイドルに清廉性を求めるため、交際禁止はマネジメント側の立場では一定の合理性はある』と理解を示す一方で、『異性との交際は人生を自分らしく豊かに生きる自己決定権そのものだ』と指摘。損害賠償が認められるのは、アイドルが会社に損害を与える目的で故意に公表した場合などに限られる、と判断した。」〈参照:朝日新聞
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ハロプロのアイドルは「疑似恋愛の対象」か?
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