感染対策の「手段」と「目的」が逆転。鼻出しマスクやマウスガードを正当化してしまう「自己目的化」とは

仕事でも起こりうる「自己目的化」

 この「自己目的化」は、目的を意識すべき期間が長いほど、手段が目的化してしまう。  そして手段が目的化すると、次第に「手段」と「快適さ・日常」の妥協点を探して、「手段の快適化」が行われてしまう。その結果、本来の目的を達成できない手段を取るようになってしまうのだ。    この傾向はマスクだけでなく、仕事においても起こりうる。  リモートワークで働いてる姿が監視されていない状況だと、働く目的が「評価される」「成果を出す」から、手段である「決められた時間内働く」「仕事の間PCの前に座る」が目的となってしまい、手段の快適化によって「パソコンの前に座っていれば大丈夫」「与えられた仕事だけをする」という意識になってしまうのだ。  リモートワークで働き方の自由が与えられたが、本来の目的を可視化して意識できるようにマネージメントする必要があるだろう。

「感染対策」の意識を忘れずに

 まだマウスガードを着用している人は少なく、集団のなかで着けていると目立ってしまうため、一般の人で着ける人はしばらく現れないだろう。  しかし、おしゃれなデザインのウレタンマスクを着けている人が増えてきており、不織布マスクに比べて予防効果が低いので、マスクをしていても感染する・感染させる可能性は十分にある。  ワクチンの開発も進み、コロナの沈静化までゴールが見えつつあるので、最後まで自分が感染者にならないように「感染対策」という目的意識を持って行動を取るようにしたい。 【参考文献】 「国立大学法人豊橋技術科学大学 Press Release コロナウイルス飛沫感染に関する研究」 <取材・文/山本マサヤ>
心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。
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