国民の我慢をヨソに自分たちは高級クラブで遊ぶ与党議員に国民は愛想を尽かし始めている

和歌山では秘書たちが楽しんでコロナ感染

 さらに、議員だけではありません。和歌山を地盤とする二階派の国会議員・鶴保庸介元沖縄北方担当大臣の公設秘書2人と、同じく二階派の門博文衆院議員の公設秘書が、和歌山市内のカラオケバーで飲食を伴う会食をして、全員が新型コロナウイルスに感染していたと「週刊文春」が報じました。  カラオケバーを訪れたのは、なんと、1月8日の夜だったそうで、まさに新型コロナウイルスの感染者が過去最多を更新しまくって、首都圏では緊急事態宣言が発令されたばかりというタイミングでした。議員も議員なら秘書も秘書で、こういった秘書がやがてどこかの市議会議員や県議会議員に立候補したりするわけです。自民党や公明党といった与党系の議員や秘書たちにどれだけ緊張感がないのかという話になると思います。

早くも自民党が票を取れなくなりつつある

 僕は日本全国の選挙を現地で見て、どんな選挙だったのかをお伝えする「選挙ウォッチャー」という仕事をしているのですが、先日の山形県知事選や川越市議補選の様子を見ても、早くも自民党が票を取れなくなっていると思っています。 山形県知事選 例えば、山形県というのは、衆院選では山形1区から山形3区まですべての小選挙区で自民党が勝っているのですが、参院選では野党系が勝っているという独特の県です。ただ、参院選の結果を見ても自民党と野党系の力は拮抗しており、2019年の参院選では無所属の芳賀道也さんが27万9709票、自民党の大沼瑞穂さんは26万3185票。実は、大沼瑞穂さんは地元にほとんど帰ってこないと評判が悪く、地元の人からあまり好かれている印象がなかったのですが、それでも接戦にはなっているのです。  ところが、今回の山形県知事選では、現職の吉村美栄子さんが40万0374票、自民・公明推薦の大内理加さんは16万9081票に終わりました。県内の至るところに大内理加さんのポスターが貼られまくっていて、県議としてもトップ当選しているような人なのに、ダブルスコア以上の大差がついてしまっているのです。もともと吉村美栄子さんの人気は高く、山形県民の気質として大きな失敗をしているわけでもない人を代えようというメンタルにはなかなかならないことはあれど、普段は自民党に投票している人たちが自民党の候補に投票しなくなっている可能性があるのです。 川越市議会議員補欠選挙 もっと如実に表れているのが川越市議補選です。川越市長選に立候補するために現職の市議が辞職したことによるものですが、2期8年の実績がある自民党公認の候補と、介護職員だった無所属新人候補の戦いは、なんと、3万8322票vs2万2424票という大差で、無所属新人が勝ちました。市長選は割としっかり考えるにしても、市議補選は誰に投票したらいいのかわからないという人がほとんどで、雰囲気で投票されることが多い中で、自民党の候補が大差で負けている現実。実績の上でも即戦力のはずで、なおかつ自民党ならではの組織票があるにもかかわらず、ちっとも票が取れていないのです。  川越市議補選の投票率は22.03%で、かなり関心の低い選挙だったと言えますが、投票率が低ければなおさら組織の力がモノを言うというものなのに、組織の力がちっとも通用していないことからしても、やっぱり普段は自民党に投票している人が自民党に投票しなくなっていると言えるのかもしれません。  こうなってしまった原因は、やはり新型コロナウイルス対策がまったく評価されていないということだと思います。結局、菅義偉政権がやった具体的な新型コロナウイルス対策とは何でしょうか。  安倍政権の頃は、「アベノマスク」というクソ政策がありながらも、一応、国民全員に10万円を配るという政策をしました。これが良いかどうかという話はさておき、まったく何もしなかったわけではありません。しかし、菅義偉政権になって、飲食店に時短営業をお願いしただけで、こんなものは新型コロナウイルスを解決するための具体的な政策ではありません。その時短営業も、一応の補償金は支払われるものの、よりによって「一律」なので、足りないところには足りないし、普通に営業するより儲かってしまうところが出るなどチグハグなものです。  大企業ほどダメージを喰らいつつ、「苦しいけど1ヶ月なら協力しようじゃないか」ということで、多くの企業が応じてくれているわけです。ところが、この時短営業が劇的な効果を発揮しているかといったら、そんなことはありません。飲食店が時短営業するぐらいでは実効再生産数を大きく下げることにはならないため、感染者は減らないまま。こうなってしまうと時短営業を求める期間は長くなってしまうし、いつまでも政府肝煎りの「GoToトラベル」などのキャンペーンはできません。そうすると、ますます日本の経済はガタガタになってしまうのです。  結果的に多くの人が苦しみ、多くの人が死ぬだけになっているのですが、そんなタイミングで与党議員が高級クラブに遊びに行き、あげく菅義偉総理大臣が補償の拡充を否定し、「最終的には生活保護がある」と言ってしまうのです。こんなことで自民党が勝てると思っているのでしょうか。これからどんどん結果が出てくると思いますが、現時点で既に自民党が票を取れなくなっているのに、これからますます自民党が票を取れなくなることでしょう。これは政権交代が起きかねないレベルの話です。果たして、自民党は信頼を取り戻すことはできるのでしょうか。
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選挙ウォッチャーの分析&考察
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