’90年代のような不動産バブルが再来するか!? 自分でREIT銘柄を選ぶコツ

自分で銘柄を選ぶコツ

REIT では、どんな銘柄を買えばいいのか。ここからは、自分で銘柄を選ぶコツを見ていこう。 「初心者がやりがちなのは、利回りを見て買うこと。しかし、いま利回りがよくてもいずれ急落したり、投資法人が破綻したりする危険性もあります。安全なのは『日銀買い入れ銘柄』を選ぶこと。日銀は、格付け会社の評価を基に35個の銘柄を買っています。リスクを回避するという点では、この中から選んでおけば安心です」(雨宮氏)  一方、長嶋氏は安全性を測るもうひとつの「基準」があると言う。 「物件がある場所のハザードマップを確認しましょう。水害リスクの高い物件は価値が下がる可能性があります」  さらに、ストックウェザー『兜町カタリスト』編集長の櫻井英明氏は「他人に自慢できるか」「親しみを持てるか」という基準を持っておくべきだと語る。 「人に話せるような銘柄を買うべきです。投資信託とはいえ、結局は家を買うのと同じ。どんな物件が含まれていて、どんな場所なのかを実際に見に行き、いい物件だと思ってから購入をしたほうがいいのです」  ホテルならロビーにどれだけ人がいるか、商業施設ならどのくらい客が入っているか、マンションなら夜に何部屋で明かりがともっているか。そうしたことをチェックして、自信と愛着を持てる物件が入ったREITを選ぼう。

具体的にどんな銘柄を狙うべきか

 投資のプロは、日常的に現地の情報に接し銘柄を選んでいる。では、具体的にどんな銘柄を狙うべきか。楽天証券経済研究所長の窪田真之氏は語る。 「森ヒルズリート投資法人は、六本木など一等地に物件を所有しています。それでも一口当たりの価格が約13万円と、日本ビルファンドやジャパンリアルエステイトと比べて安い価格から買えるのが魅力です。イオンリート投資法人も買いと判断。コロナ禍で苦戦も、復活が期待できます。イオンは商業モール運営で高い競争力を持ちます。有力テナントを誘致、プライベートブランドも好調で、地方では『イオン一強』状態です」  窪田氏に加え、雨宮氏もイチオシの銘柄が「GLP投資法人」だ。「グローバル・ロジスティック・プロパティーズ・リミテッド」の略で、物流拠点の開発を手掛ける。 「幹線道路へのアクセスがいい物件多数」(窪田氏)、「物流の中でも規模が大きく、伸びしろもある」(雨宮氏)と、識者もべた褒めしている。  櫻井氏は、少しニッチな銘柄を紹介してくれた。 「平和不動産です。HF駒沢公園レジデンスTOWERなど東京都区部の住居とオフィスを主体とした投資法人ですが、この会社はもともと証券取引所の建物を持っている会社。東京、大阪、名古屋の証券取引所が潰れることはないので、安定感のある銘柄です」  気になる銘柄があったら、メインの物件に行ってみるべし!
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識者の注目銘柄はこの4つ!
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