まさに漫画『インベスターZ』!? 東大金融研究会の素顔

今後、再評価される銘柄や新規事業を始める銘柄に注目

東大――大空さんが注目している業界や銘柄はありますか? 大空:今は菅首相がやりたいことが明らかなので、そこはしっかり取りにいきたい。でも、ただバブルに乗っかるだけじゃなくて、きちんと数値化して「より落ちにくいもの、より再評価されるもの」を取捨選択する局面だと思っています。  たとえば会計クラウドも目玉のひとつだと思っています。マネーフォワードなどが該当すると思います。’23年からインボイス制度が導入され、消費税控除に適格事業者の会計ソフトを使用する必要がある。freeeとマネーフォワードの大手どちらもチャンスは大きいと思います。バリュエーションの観点ではfreeeよりマネーフォワードに魅力を感じます。市場が評価しきれないマネーフォワードの事業展開の豊富さがデータとして蓄積され、それが今後評価されていく可能性がある。  他にはメルカリにも注目。メルカリは国内、国外、メルペイの3事業を展開していて、今の時価総額は6500億ほど。流通総額から時価総額を考えると、7500億円くらいあってもよい。じゃあ、米国とメルペイがかなり足を引っ張っているよねというのが現段階で評価されていない根拠です。でも米国の流通総額も実は1000億円くらいある見込みで、米国でメルカリと同業のPoshmarkがIPO予定。そしたら、米国のメルカリも再評価されるはず。赤字続きのメルペイもコストコントロールしやすい素地が整ってきているし、いつか評価が逆転する可能性があると思って楽しみにしています。

今までなかった市場を作り上げている会社は応援したくなる

石川:ただ、メルカリが属しているマザーズのバブルが弾けたら、一緒に下がってしまう危険性もありますよね。 大空:そこの見極めだよね。ヘッジをうまくかけないといけないけど、一般の人にとってはなかなか株をショートする行為が難しいからね。  ちなみに、今までなかった市場を作り上げている会社も、買いか売りかという判断を超えて応援したくなりますよね。クラウドファンディングのMakuakeは、ゼロ次流通という新しいエコシステムを構築。零細企業が低コストで商品を流通できるようになり、テストマーケティングにアシックスなども参入しています。  他にも、Sun Asteriskが手掛けるデジタル・クリエイティブスタジオではベンチャー企業に人材を供給するプロジェクトを進めています。このように、零細企業やベンチャーと組んで一緒に成長するモデルって、今まで意外となかったので。
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100%攻めるとリスクを負いすぎてしまう
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