“上場請負人”と呼ばれる男が教える、「伸びる企業」を見抜く眼の育て方

解像度の高いプロは「量稽古」でつくられる

 その際、既出の登録案件を見ながら事例研究にもいそしむと成長も加速。 「’21年から株主コミュニティ上で未上場株の流通市場が誕生する予定です。これまで上場かバイアウトでしか収益化できなかったエンジェル投資に、より気軽に参加できるようになる。  市場が本格的に盛り上がる前の今から訓練しておいて損はありません」  こうして成功と失敗を繰り返しながら基礎を固めることで、投資家としての解像度を高めていく。 「並行して起業家や投資家の集まる講演会やセミナーに参加し、スタートアップ市場での人脈を広げていきましょう。こうした“量稽古”を地道に積めば、自分なりの物差しが構築され、投資家の目利き力が養われます。  次第に優良な案件が回ってきたり、投資先のイグジット(上場やバイアウト)が成立するようになったら、投資家としての力がついてきた証しです」  ハイパーエンジェル投資家への道は、堅実な一歩から始まる。 <私の流儀> 経営に参画して責任を負い、株は売らない。投資先企業は創業仲間

守屋氏注目のスタートアップ

▼CADDi 製造業の受発注プラットフォームを提供。特注加工品の発注者と全国の加工会社を自動見積技術で橋渡しする。 ▼sitateru ITを使った衣服生産プラットフォーム事業。国内を中心に1000 社の縫製工場や生地メーカーなどと連携。 ▼ガラパゴス デザイナーの思考プロセスを可視化して標準化に成功。それをAIに実装してデザインサービスを提供している。 ▼Magic Shields 超高齢化社会に備え、転んでも骨折しにくい・転んだときだけ柔らかい床“ころやわ”を開発して販売している。 ▼サウンドファン 世界初の特許技術・曲面サウンドを搭載した、蓄音機の仕組みをヒントに生まれたミライスピーカーを販売。
守屋実氏

守屋 実氏

【守屋 実氏】 ラクスル、ケアプロなどの創業に参画。著書に『新しい一歩を踏み出そう!』(ダイヤモンド社) <取材・文/谷口伸仁>
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