安定した公務員の職を捨てて資産4000万円でリタイア。月10万ちょっとで暮らす自由人

仕事を辞めて福岡から札幌へ移住

FIRE

旅行で訪れた北海道の積丹半島で、名産のウニを堪能。2か月に一度は旅行するなど、月10万円の生活費ながら、FIRE生活を満喫

 33歳でリスク資産3000万円と貯金1000万円を作り、仕事を辞めて勤務地だった福岡から札幌へ移住。約4000万円の資産は、FIRE後の2年間で4500万円まで膨らんだ。  自身を若年・低資産・無能の“下層セミリタイア”と自嘲する金村さんだが、日々スポーツジムで汗を流し、趣味の裁判傍聴に興じる。  さらに2か月に一度は国内旅行を楽しみ、彼女だっている。なかなかの悠々自適ぶりなのだ。 「10月は旅行と人間ドックのため、娯楽費と医療費が突出していますが、いつもは10万ちょっとの生活費。食事は自炊で、移動は自転車。他の趣味もスポーツのテレビ観戦ぐらいで、お金がかかりません。  それでもセミリタイア前はジムにも通っていなかったし、旅行もそんなにしていなかったから今のほうが出費が多いぐらいです」

リスク資産の配当益はすべて再投資に

 一方、収入面に目を転じると、就労収入は週に1~2回のコールセンターの短期バイト、就労外収入はブログのアフィリエイトと勤め人時代から続けている覆面調査など。  雑収入は金券売却やTポイントの現金化。10月は覆面調査の収入が多かったが、通常はこれらで月10万円程度を稼ぐという。 「コールセンターは拘束時間が1日10時間と長いですが、仕事も簡単なうえこちらの都合に応じて仕事を増やしたり減らしたりしやすいのがメリット。でも、週2日勤務が限界です(笑)」  金村さんはリスク資産の配当益は生活費に充てずに、すべて再投資に回している。収支が赤字のときだけ貯金を取り崩し、不足分を補填しているのだ。 「私のシミュレーションだと、今の生活ペースなら60歳までリスク資産に手を付けずに1000万円の貯金だけで賄えます。年間支出170万円までなら大丈夫なので、リスク資産は還暦を過ぎたら必要に応じて現金化する計画なんです」  倹約&堅実運用でFIRE後の生活費と老後資金を築く金村さん。月の生活費の多くをアルバイトで稼いでいるとはいえ、その“自由さ”は公務員時代とは大ちがいのようだ。 【金村圭介さん】 ‘85年生まれの自称“元超ダメ公務員”。節約と投資に励み、’18年3月にセミリタイア達成。ブログ「TIME IS MONEY キムのセミリタイア日記」を運営。 <取材・文/牧隆文 吉岡俊>
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