リモートワークやビデオ会議で着席時間が増大。在宅勤務で知っておきたい「座るリスク」

アプリで着席時間を確認しよう

 これはテレビに限った話ではなく、仕事で長時間座っている場合も同様の可能性がある。  PCを使った仕事をしていると、一時間座ったままというのはよくあることだが、それは寿命を縮めている可能性がある。  そのため、一時間も座ったままのときは、定期的に立ち上がって飲み物を取りに行ったり、ストレッチをするといいだろう。  厚生労働省が発表した「『新しい生活様式』において体を動かす工夫」によると、30分ごとに3分程度、少なくとも一時間に5分程度は立ち上がって運動することが推奨されている。  最近は、Apple Watchに「スタンドリマインダー」という機能もある。これは、一時間の最初の50分座ったままでいた場合に、立ち上がるよう通知を出してくれるアプリだ。  筆者もApple Watchを持っていて、この通知を受け取っていたが、ここまで重要な通知をしているとは思いもよらなかった。

着席時間がメンタルヘルスにも影響

 また、座っている時間が長いほど、メンタルヘルス不良になりやすいということもわかっている。  一日の着席時間が6〜9時間の人よりも、9~12時間の人はメンタルヘルス不良になる割合が約2倍になることがわかっている。  また、20〜30代の若いうちならまだいいが、40~50代になってくると着席時間が長いことで、仕事に対するモチベーションが低下することも確認されている。仕事に対する誇りや、やりがいを感じなくなってしまうのだ。  歩くことはとてもよいことで、スティーブ・ジョブズも歩きながら会議をしていたと言われている。  特に20〜30代の若い層は、パソコンに張りついて仕事に熱中しがちだが、それよりも適度に歩いてを繰り返すほうが、仕事の効率がよいということもわかっている。  読者の皆さんも、リモートワークで椅子に座りっぱなしの時間が増えたかもしれない。会議に参加することも、立ち上がることなく、クリックひとつで行うことができるし、同僚との会話もチャットやメールで済んでしまう。  しかし、その「楽さ」はあなたの生産性や、身体面・精神面へ負荷をかけてしまっているかもしれない。  一時間に一度、コーヒーを入れたりストレッチをするなど、5分程度でいいので運動を取り入れてみてはいかがだろうか。  【参考文献】  「座位行動の科学-就労者における座りすぎの健康リスクとその対策-」岡 浩一朗  「世界で最もイスに座る時間が長いと言われている日本人! “座りすぎ大国”日本の中で最も長く座っている職種は?」コクヨ株式会社  「Television viewing time and reduced life expectancy: a life table analysis」J Lennert Veermanほか <取材・文/山本マサヤ>
心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。
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