緊急事態宣言から一週間、繁華街の人出は?

005 2021年1月7日、昨年に続き、緊急事態宣言が発令された。未だ新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、飲食店の営業時間を20時までとする時短要請を行った。また、不要不急の外出自粛や積極的なテレワークの実施など、感染防止対策を徹底するように呼びかけている。  だが、連日の報道で「減らぬ人出」という見出しが躍るように、平日の通勤時間や休日の日中は平常時と変わらない人出が見られるという。  今回は緊急事態宣言発令から1週間後の週末に繁華街を訪れ、実際の様子についてお伝えしていきたい。

閑散とする新宿三丁目の飲み屋街

 まずは1月15日(金)に新宿へ行ってみた。会社勤めの人であれば待ちに待った「華金」。  本来ならば繁華街に多くの人が集い、酒を酌み交わしたり美食を堪能したりするであろう。しかし、今は緊急事態宣言下である。果たして、街に繰り出す人はいるのだろうか。  時間はちょうどアフター6を過ぎた頃、手始めに飲食店が点在する新宿三丁目の「要通り」へ向かった。たまにこの辺りの飲食店を利用するが、いつもなら道に人が溢れていてもおかしくない時間帯だ。 001 だがしかし、閑散としていて人はほとんど歩いてなかった。  さらに目立ったのは「緊急事態宣言中は臨時休業します」の張り紙。特に、この近辺にある飲食店は休業するお店がやけに目立った。  営業している飲食店も、華金にしては客がまばらだ。普段は店内で料理を運ぶウェイターも、店前に立って客の呼び込みを行っていた。  軽く一杯飲もうとカジュアルイタリアンが楽しめるお店へ。店内には会社帰りにおひとりさまで飲む女性と男性が一人ずつ、あとは夫婦一組のみだった。  店員に、緊急事態宣言による時短営業の影響はあるか尋ねたところ「普段の華金と全然違って、人通りは本当にないですね。うちも20時に閉めますが、結構厳しい。ただ、なんとかしてやり抜くしかない」と言う。  しばらく店内で過ごしたものの、店内に客が入ってくることはあまりなかった。やはり時短要請による影響なのだろうか。

日本随一の歓楽街である歌舞伎町は?

 続いては世界でも指折りの歓楽街である歌舞伎町へ。筆者が歌舞伎町に着いたのは20時で、時短要請に応じている飲食店はシャッターを閉める頃だ。  まずは有名なアーチをくぐって一番街へ。  人の流れはぼちぼちといったところだろうか。もちろん、普段よりは少なく感じる。ただ、夜のネオンサインは煌々と光を放っており、歓楽街の風貌は健在している。  一見、お店がやってそうに見えるが、近づくと営業時間は20時までの所が多い。たまに20時以降はテイクアウトのみ可能という所があるくらいだ。全体的には、時短要請に応じてお店を早めに閉める飲食店が多い印象を受けた。  他方で、かつて歌舞伎町のランドマーク的存在だったコマ劇場後の新宿東宝ビル周辺には、若者を中心に人が集まっていた。無論、そこまで密になるほどでもないが、華金の歌舞伎町でこれからどう過ごそうかを考えているように見えた。 002 ぐるっと新宿東宝ビルを一周し、さくら通りから駅方面へ抜けようと歩いていると、華金らしい光景が。20時以降も通常営業している居酒屋の博多劇場だ。軒並み飲食店が閉まる中、一部の営業しているお店へ集まり、華金を満喫しようと店内はほぼ満席だった。  また、歌舞伎町での「悪質な客引き行為」の注意喚起を促す街頭アナウンスも通常通り行われており、治安維持の活動はいつもながらの状況であった。
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賑わう土曜日の銀座
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