<before>こちらは同じ物件の別角度から撮影。吹き抜けがあり、開放感がある。全体的にゆとりがある造りなのは郊外物件ならではの特徴でもある<after>リフォームによってアクセントクロスが映え、清潔感のある空間に変貌した。リフォーム後は募集からほどなくして他県からの移住者が入居している
投資手法を進化させるべく、まさお氏は’17年に宅建免許を取得しプロの不動産業者として活動している。
「家と関わるにあたって資格があったほうがいいと思い、取りました。やはり地元の不動産業者と仲良くなるのはメリット大です。取引相手の反応も違うし、空き家問題の相談者としても安心感がある。空き家で困ってる人や空き家を減らしつつ、収益に繫げたいです」
現在は相続診断士としても活動、関東一円の空き家問題の解決に奔走中だ。
「この前もほかの業者が断ったゴミ屋敷の査定をしました。買い取り後は200万円かけてリフォームを実施。今は賃料7万7000円で貸しています」
物件をきちんと再生することが投資ポリシーのまさお氏。しかし、最近の不動産投資DIYブームの盛り上がりに懸念する点もあると苦言を呈する。
「とにかく安く直して貸すことにこだわりすぎて、本来、大切にすべき品質が担保されていない人もいます。大家さんは快適で安全な空間を提供するのが義務。『穴が空いた床に、ベニアを載せただけでDIY』なんて物件は、借りる側も安心できないと思います。ほかには、生木を丸鋸で切断するDIYをやっている人も見ました。反動で丸鋸が戻るキックバックで大怪我するので危険です」
将来的な人口減に関しても悲観する様子はない。
「衣食住のうち、住に関しては時代が変わり生活様式が変わっても、大きな変化はありません。だからこそ、長く住んでもらえる家を提供すれば今後も選ばれると思います。
人口減は避けられないので、死ぬ土地と生きる土地に二極化すると予想します。100区画の分譲地だけど20区画しか家が建ってない歯抜け住宅地、所有者が自分の居住目的だけで辺鄙な場所に建てた家などは厳しそうです。コンパクトシティ化や、居住を誘導する地区が現れるのでトレンドに従って利便性のある地域で投資したいです」
持ってよし、貸してよし、売ってよしの物件を郊外に見つけるには、地元住民としての目利き力が最大の武器となるようだ。
<テレワーク時代の新戦術>
物件価格の下落に対し賃料下落が緩やかなエリアに鉱脈が眠っている!
千葉県育ちの空き家再生人・まさお氏
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千葉県育ちの空き家再生人・まさお氏】
千葉県中心に戸建て投資をする不動産投資家。現在50戸超の物件を保有し家賃収入は2500万円を超える。最近は相続診断士として、空き家問題に関する相談も広く受け付けている。
<取材・文/栗林篤 伊藤綾>