大同江ビール転売で再び書類送検。警察に「北」専門チーム創設でさらなる取り締まり強化へ

北朝鮮現地版の大同江ビール640ml大瓶

北朝鮮現地版の大同江ビール640ml大瓶

北朝鮮製ビール、ネット転売で御用再び

 北朝鮮の地ビール「大同江ビール」を日本へ持ち込んだとして書類送検される事件が再び起こった。静岡県警磐田署は12月4日、北朝鮮で製造されたビールや焼酎などを日本へ持ち込んだとして大阪市の会社員男性を外為法違反(無承認輸入)の疑いで書類送検したと発表した。(参照:「産経新聞」)  同様の疑いで書類送検が公表されたのは2019年7月の福岡の19歳少年による一件以来とみられる。  発表から1か月ほど経過しているが関係者への取材でより詳細が判明してきたので改めてお伝えしたい。

メルカリで転売された大同江ビール

福岡の男性が販売していた中国輸出版大同江ビール上等な中瓶を使用している

福岡の男性が販売していた中国輸出版大同江ビール 上等な中瓶を使用している

 今回、書類送検された男性が日本へ持ち込んだ大同江ビールなどを転売したのは「メルカリ」だ。大阪市在住の男性が静岡県警から書類送検された理由は、販売した相手が磐田在住者ではなく、転売舞台がメルカリだったためインターネット空間を巡回する磐田署のサイバーパトロール隊に発見されてマークされたからだ。しかも複数の道府県警察に同時に目をつけられたようだ。結果、もっとも捜査を進めていたのが磐田署だったのだろう。  外為法は改正を重ねるたびに厳しくなり最後は2019年に改正(2020年5月8日施行)されている。  もし、書類送検された男性が初犯であれば不起訴となるとみられる。しかし、当然ながら長時間にわたって拘束され取り調べを受けているので会社にはバレている。会社によっては解雇など処分を受けているかもしれない。  ‘19年福岡の転売舞台は「ヤフオク!」だった。事件を受けてヤフオク!は自主規制を敷いて大同江ビールなど北朝鮮の酒類出品を削除している。今回の転売はメルカリが舞台となった。と言うのも、福岡の事件後もメルカリでは出品できたため、男性はメルカリを選んだと思われる。  事件発覚後、メルカリでも自主規制が始まり現在、出品は確認できない。正確には出品はできるが短時間で削除するオペレーションを実施してしるようだ。  取材したある警察関係者は、今回のようにマスコミへ一斉公開するのは抑止力効果を狙っていると話す。実際にヤフオク!やメルカリで自主規制が始まっていることから警察が狙っていた抑止力は発揮していると言える。   とはいえ、現在でもヤフオク!やメルカリでは北朝鮮バッジや切手、紙幣など”北朝鮮グッズ”の出品が大量に確認できる。ではなぜ、この大阪の男性は書類送検されたのだろうか。
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ネットでマニアに転売される「北朝鮮グッズ」
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