大同江ビール転売で再び書類送検。警察に「北」専門チーム創設でさらなる取り締まり強化へ

ネットでマニアに販売される「北朝鮮グッズ」

日本では見かけない北朝鮮産化粧品が大量に販売されている中国淘宝網

日本では見かけない北朝鮮産化粧品が大量に販売されている中国淘宝網

 静岡県警磐田署が発表した内容では、大同江ビールなど北朝鮮産ビール3本と焼酎1本の計4本を日本へ持ち込み販売した疑いとなっている。これは詳細な裏取りできたのが4本だけで、自宅から押収されたとして公開された写真には、瓶の酒類だけでも20本以上確認でき、合わせてDVDやポストカード、菓子など40点ほど押収されたとのことだ。  日本へ持ち込んだのが2019年5月なので大半が売却済みであると考えるのが自然だろう。かなり大量の大同江ビールなどを持ち込んだことが分かる。  警察関係者によると特に厳しく取り締まっているのは酒類とたばこ、化粧品などの工業製品であるとのこと。特定の要注意品があることがポイントとなる。  日本政府は北朝鮮への独自制裁で北朝鮮を原産地とするものの日本への輸入を禁止している。しかし、この制裁をそのまま適応すれば、すべての北朝鮮グッズが取り締まり対象となるが、北朝鮮の新聞や書籍、ポストカード、紙幣など紙媒体、製品への取り締まりは比較的に緩い。人気の指導者バッジは元々非売品であることもあり、工業製品とは見なすことが難しいこともあってか大量に転売しなければ問題視はされないのが実情となる。

取り締まり対象になるケースの特徴は

 もう1点ポイントがある。それは繰り返し利益を上げていると見なされるかだ。そもそも北朝鮮は特殊な国で容易に行ける国ではないため、個人で定期的かつ継続的な仕入れを行うことは現実的に厳しい。個人所有の私物北朝鮮グッズ1、2個をメルカリへ出品しても利益なんてたかが知れる。  大瓶の大同江ビールは平壌の外国人向け売店で購入すると1本8元(約125円)くらいで買えることは調べれば分かる。125円のビールをハンドキャリーで日本へ持ち込み、メルカリで6000円で売ったら利益は…とまあ容易に利益は計算できるわけだ。  どうやら不当な利益を継続的に得ていると判断されると取り締まり対象に浮上しやすくなるようだ。  福岡と静岡の2件で共通するのは出品数が多いことに加えて非常に目立っていたということだ。そもそも北朝鮮グッズはマニア向けに目立たないように取引をしている人が多い。それがユーザー数2216万人(ニールセン・2019年4月)もいるメルカリだったら確かに売れるかもしれない。だが、その反面、不特定多数の人の目に触れ通報もされやすくなる。
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今後さらに取り締まり強化の可能性も
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