長年懸念されている「南海トラフ」地震は起こるのか? 2021年の巨大地震を専門家が予測

コロナ禍で巨大地震が起きたときの問題点

地震

コロナ禍の中で巨大地震が起こった場合、避難所が開設されたとしてもキャパシティに限界が。プライバシーを守る道具が不足しているのも自治体の悩みのタネ。万が一のために避難所用テントを備えておくのもいいだろう

 さらに長尾氏は、「最近になり神奈川県を中心に異常が発生しているのも不安要素のひとつ」だと言う。 「今はいわゆる天気図でいうところの“低気圧”が停滞している状態。’21年中には南関東を中心に震度6弱・強の地震が来る可能性は高いです」  ではコロナ禍の現在、予測通り巨大地震が日本列島を襲うとなると、一番の問題点は何か。長尾氏は次のように述べた。 「避難せざるを得ない状況になった際に、避難所が定員オーバーになる恐れが。避難できても日本の避難所はプライバシーを保てる道具がない場合がほとんどです。近年では避難所用テントが徐々に流通し始めているのでいざという時に備えておくべきでしょう」  コロナ禍で弱った人々の心にこれ以上のダメージが生じないよう祈るばかりだ。

’20年の震度5弱以上の地震

’20.03.13 石川県能登地方地震 震度5強 ’20.06.25 千葉県東北沖地震 震度5弱 ’20.09.04 福井県嶺北地震 震度5弱 <地震活動期に突入> ’20.11.22 茨城県沖地震 震度5弱 ’20.12.12 岩手県沖地震 震度5弱 ’20.12.18 伊豆大島近海地震 震度5弱 ’20.12.21 青森県東方沖地震 震度5弱 【村井俊治氏】 「JESEA地震科学探査機構」取締役会長。東京大学名誉教授。リモートセンシングを駆使した「MEGA地震予測」を開発。 【高橋 学氏】 立命館大学教授。環境史・土地開発史に基づき、災害予測や都市計画の検討を研究。著書に『平野の環境考古学』(古今書院)など。 【長尾年恭氏】 東海大学教授。地震活動を可視化した「地下天気図®」の開発を手がける。共著に『地震前兆現象を科学する』(祥伝社)など。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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