リニアの静岡県への影響を議論する有識者会議「座長コメント」のテキトーぶりが酷い

「静岡県民に安心してもらう」と言いながら、座長不在のままで進むのか

 福岡座長は会議の中では繰り返し「静岡県民に安心してもらうために、しっかりと検討する」と発言していたが、筆者は質問でこの点をついた。 「県民に安心してもらうと福岡座長は何度も繰り返すが、具体的にどうやって県民が安心を得たのかを確認するのか」  この質問に江口審議官は「県の利水関係者もここにオブザーバーとして入ってもらっています」と答えた。  次いで筆者は「県民に安心してもらいたい座長が記者ブリーフィングを欠席しては、県民から『信頼』を得ることはできない。座長は記者ブリーフィングに出るべきだ」と発言しようとしたのだが、一人一問という質問制限に阻まれ、話し始めたとたんに発言を遮られた。  このまま有識者会議は、座長が出席しないままで記者ブリーフィングを続けるのだろうか。そして座長コメントも「JR東海寄り」のままで進むのか。有識者会議には静岡県への影響を真摯に考えている委員もいる。せめて今年からは、最後の締めである座長コメントはより公平な内容であることを願うばかりである。 <文・写真/樫田秀樹>
かしだひでき●Twitter ID:@kashidahideki。フリージャーナリスト。社会問題や環境問題、リニア中央新幹線などを精力的に取材している。『悪夢の超特急 リニア中央新幹線』(旬報社)で2015年度JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞。
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