最後に、衆議院の解散タイミングと国民へのメッセージについて質問され、菅総理の絶望的なメッセージによってインタビューは締めくくられる。その質疑は以下の通り。
【17問目】
星浩氏:
「最後の質問ですけど、来年いよいよ衆議院の任期が切れてきますよね。一方でこの1月18日からの通常国会も課題が山積してまして、なかなかその通常国会中に解散のタイミングを伺うってのは難しいんじゃないかという気がしますけど、その辺はどう考えてますか?」
菅総理:
「
まあ、いずれにしろ、任期はもう10ヶ月しか無いわけですから、それとやはり一番大事なのはコロナの問題だと思いますよね。ここはやはり、完全に拡大防止をできてないと私はやるべきじゃない。仕事がしたいって、こういうことをずっと言ってますけど、まあ、そういう状況の中でですね、対応していく。まあ、こういう風になるだろうと思います。(
青信号)」
【18問目】
小川彩佳氏:
「お時間が過ぎ始めているんですけど、コロナに関して、今月初めの総理の会見では今必要なのは安心感と将来の希望であるというふうにおっしゃって、まさにその通りだと思うんですね。で、そうした安心感がある将来の希望を感じられる言葉というのを国民も聞きたいというふうに思っていると思うんですが、最後に総理ご自身の言葉でお聞かせ頂けないでしょうか。」
菅総理:
「
これはですね、えー、私は国民の命と暮らしを守るということをずっと言い続けています。まあ、そういう中でですね、やはりワクチン。ワクチンが接種されるようになってくればですね、見通しは出てくるようになると思うんです。ですから一日も早く、そうしたことができるように政府として全力を挙げて、今準備をしている。まあ、そういう状況であります。そしてオリンピック・パラリンピックを迎えることができる。コロナと戦ってですね、勝った証しとしてのオリンピック・パラリンピックにしたいと思いますし、そうしたことでまた、あー、コロナ禍の前の普通の暮らし、一日も早く取り戻すことができるように一生懸命頑張っていきたい。このように思います。(
青信号)」
小川彩佳氏:
「菅総理、今夜はどうもありがとうございました。」
17問目は衆議院解散タイミングについての考え、18問目は国民へのメッセージという緩い聞き方であったため、全て青信号としたが、「安心感と将来の希望が感じられる言葉」を求められて、出てきた言葉は「コロナに勝った証としてのオリンピック・パラリンピック」。菅総理の回答は最後の最後までズレたままインタビューは終了した。
このインタビューを総括すると、菅総理はとにかくズレている。
質問に対する回答がズレており、日本語でのコミュニケーションが困難なレベルにある。
さらに、事実認識がズレている。(英国からの入国者数、学術会議の大学の偏り、等)
挙げ句の果てには、国民感情ともズレている。(感染対策失敗への反省、東京五輪開催への執着、等)
<文・図版作成/犬飼淳>
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@jun21101016
いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身の
noteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。
noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(
日本語版/
英語版/
仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。