卒業アルバムの表情でその人の行く末がわかる!? 表情分析の研究が面白い

作り笑顔でも、幸せな表情と寿命の連関関係が明らかに

顔と性格、未来や運命に関係性はあるのか?

 こんにちは。微表情研究家の清水建二です。年の瀬も迫り、来年の自身の行く末が気になる今日この頃。  みなさんは、顔占いや人相学、観相学というものを信じますか?顔の輪郭や眉・目・口の形、それぞれの位置関係などから人物の性格や行動傾向、未来、運命を予想する占いの類型というか、技術というか、行為です。  表情や微表情を毎日分析し、分析対象人物の表情と感情、その後の行動の結末を観ていると、顔面筋の動きだけでなく、「動きのない」顔そのものからも何か読みとれるのではないかと考えることがあります。  顔そのものからわかる情報として、現在すでにAIによる顔認証技術などで利用され、妥当性が高い特徴として知られているものに、年齢、性別、民族、個人識別などがあります。  しかし、気になるのは、その先。顔と性格、未来や運命との関係です。そこで本日は、私たちの顔と特性との関係について紹介し、より良く人生を歩むヒントを考えたいと思います。

卒業アルバムから、その人の「その後」がわかる!?

 顔の姿・形とそれを持つ人物との関係について、科学的には何がわかっているのでしょうか。  例えば、記念アルバムの中にある人物写真を見、その人物が現時点で自殺しているか・自殺していないかという判定を実験参加者にしてもらうと、偶然のレベルを超えて、その判定が正確であることがわかっています(Kleimanら, 2012)。  実験参加者は、自殺者の顔には衝動的攻撃性が感じられると報告しています。また、写真に写っている人物の印象を実験参加者に推測してもらうと、この推測と人物の社会的成功度とに関連が見出されています(Rule, & Ambady, 2008; 2009; 2011)。実験参加者は、社会的成功をしている人物の顔は、自信に満ち溢れ、指導力にみなぎり、支配的な雰囲気を醸し出していると報告しています。  こうした研究は、顔からの情報をもとにした実験参加者の主観が、その人物の特性をある程度確からしく予測出来ている証拠と言えます。しかし、根拠が主観であるゆえ、顔のどんな特徴がその人物の特性を示すのか具体的にはわかりません。  一方、本連載(「”犯罪者の顔”は先天的に決まっているのか?」)でも以前紹介しましたが、AIを使って犯罪者の顔と非犯罪者の顔とを比べた研究では(Wu, & Zhang, 2016; 2017)、顔の各パーツと犯罪者顔との関係を具体的に見出しています。  この研究によれば、犯罪者の顔の特徴とは、「口が小さく、上唇が曲がり、両目の間隔が狭い顔」ということです。
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観相学のメカニズムは科学的に実証可能か?
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