スペイン、バルデペーニャス産で浮上していたラベル偽装疑惑、ついに決着

フェリクス・ソリス社は猛反論

 この指摘に対し、フェリクス・ソリス社は同社を中傷するためのガルシア・カリオン社の陰謀だと猛反論している。  一方、反論を受けたガルシア・カリオン社の方は、冷静に裁判所での公判の判決を待つことにしていた。  そして、その判決が12月2日に下された。この判決でガルシア・カリオン社のグループの言い分が認められたのである。それをスペインの多くのメディアが報じた。  この判決によって、今後は呼称制度が管理する裏ラベルのシールにクリアンサ、レセルバ、グランレセルバと記載することができるようになった。そしてヤングワインについてはそのビンテージの記載が義務づけられた。即ち、これまでの単に「Tinto」としか記載されなかたのがより詳細に記載することになったのである。  バルデペーニャの呼称制度の実施はリオハについでスペインで2番目の歴史を持っている。しかも、同地方のワインは価格と品質において非常に競争力があるという評価も国際的に得ている。その意味で、今後も同地の呼称制度への信頼を取り戻すためには今回のような判決が必要だったと思われる。 <文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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