目指せ億り人。最後の難関「億超え」は、買い付けの余力を残しながらチャンスを待て

 将来不安から高まる投資熱。今から投資を始めたいと考えている人も多いはずだ。そこで、軍資金100万円から資産1億円を手にする方法を初心者にもわかりやすく解説。前回の記事では1000万円を5000万円にするミッション②をご紹介したが、今回はラストスパート、5000万円を1億円へと増やすための戦略を考えたい。

株編ミッション③5000万円→1億円

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イラスト/サダ

 ミッションコンプリートまであと少し。残っているのは、5000万円を2倍の1億円にするだけだ。ここまでくれば無理をする必要はない。 「ここまで資金を増やすことができたら、1億円に届いたときのことを意識しておく必要があります。まだまだキャピタルゲイン狙い中心の投資スタイルでOKですが、少しずつ配当などのインカムゲイン狙いに資金をシフトしましょう。相場が急落したときなどに高配当株を仕込むといいと思います」(個人投資家のwww9945氏)  インカムゲイン狙いの銘柄を増やして安定配当を得る一方、それを再投資に回す。すると、キャピタルゲイン狙いの資金も増え、さらに資産が拡大していく―という好循環が狙える。これを続けていけば時々、株価が数倍高するようなヒット銘柄を生み出せるという。そうなれば、1億円への道はすぐそこだ。  株式投資の教科書では、このあたりから大型株狙いにシフトすべきとの指摘もあるが、「投資する銘柄の数を増やせば、まだ中小型株でも全然いけます」(人気株式評論家の坂本慎太郎氏)とのこと。  当然だが、ミッション②の時の教訓「余力を残す」を忘れずに。買い付けの余力を残して上昇のチャンスを待て!

「割安成長株」と「IPO株」への投資で資産を80倍超に拡大!

 株価指標的には割安で継続的な成長が見込める「割安成長株」や「IPO株」への投資で、投資開始から17年で資産2億円を達成した弐億貯男氏。驚くことに年間ベースで資産が減ったのは’07年のみだという。 「この資産額は含み損益が入っておらず、米国のサブプライム問題とリーマンショックによって含み損が膨らみました。損切りはしませんでしたが、その保有株がプラスに転じるまでに1、2年ほどかかっています」(弐億貯男氏)  この時、弐億貯男氏が痛切に感じたのは余力を残しておくことの大切さ。相場急落後に買いに出ることも可能で、気持ちの面でも余裕を持って臨める。この教訓を胸に、現在も順調に資産を拡大させている。 投資【こころトレード研究所・坂本慎太郎氏】 証券会社のディーラーや生命保険会社で債券のファンドマネジャー、株式ストラテジストなどを務めた後、個人投資家の育成を目的とした研究所を設立。自らも投資をする中、株式評論家として各所で活躍中。 【個人投資家・www9945氏】 歴30年近いベテラン投資家。株式投資を始めてから約20年で資産1億円を達成。’14年には清掃員やめ専業投資家に。高配当銘柄を土台に成長株への投資を続け、’19年には資産5億円を突破した。 【サラリーマン投資家・弐億貯男氏】 サラリーマンとして働くかたわら、’03年に250万円を元手に株式投資をスタート。それ以降、一貫して割安成長株への投資を続け、’19年には追加入金せずに2億円の大台を突破した凄腕投資家。 <取材・文/新井奈央 とにかく詳しい河村 図版/ミューズグラフィック>